マジバケ小説 | ナノ


ヴァレンシア海岸に着いたクラスメートはそれぞれ自分なりに自由時間を楽しんでいた。
その中でもキャンプファイアにいるキルシュは一緒にいたアランシア達にとあるイベントを語っていた。

「この近くに宝が埋まってるらしいんだ。探検しに行こうぜ!!」
「面白そう〜。私も行く〜!」
「探検なんて危険ですの!!」
「じゃあ、ペシュは来なくてもいいから2人で行こうよ〜。」
「2人じゃ雰囲気出ないだろ?6人で行こうぜ!!」

ペシュの忠告に誰も耳を傾けず、探検の話はちゃくちゃくと進んでいた。
そんな2人にペシュが切れるのは言うまでもない。

「兄貴ー!!」

誰を誘うか相談しようとした時、奥の方からセサミが駆けつけてきた。

「おっ、セサミ!!お前も一緒に探検行かねぇか?」
「実はその事で来たんだ。奥で洞窟を見つけたぜ!」
「おーっ、でかした!!……て。」

宝があるらしき場所が見つかった事でテンションが上がったキルシュがセサミの後ろにいる2人を見た途端、熱気が一気に冷めた。
その2人とはカシスとカベルネである。

「カベルネはともかく、カシスが来るとはな。」
「同じ事、セサミにも言われた。」

無理もないだろう。最年長だけの事あって普段なら探検など馬鹿にするカシスだ。
そんなカシスが自ら参加すると言ったら誰でも驚く。

「まあいっか。じゃあこれで5人だな。もう1人誘おうぜ!キャンディはどうだ?」

キャンディの名前をキルシュが語った瞬間、アランシアの表情が変わった。

「キャンディ?最近、キルシュってキャンディの事ばっかし〜。」
「そ、そんな事ねえよ。」
「だってそうだもん…。」
「違うって言ってるだろ!?」

ムキになってぷぃっと振り向くキルシュを見てアランシアはますます表情が暗くなった。
そんな2人を見てカシスとカベルネは思わず苦笑してしまった。

「解ったよ!誘わなきゃいいだろう?じゃあミエルはどうだ?あいつ絶対喜ぶぜ。」
「…うん〜!!」

キャンディを誘わないとキルシュが言うなりアランシアは再び笑顔になった。
すぐ喧嘩してすぐ仲直りする2人。こんな2人がただの幼馴染である事が勿体無いものだ。

 
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