マジバケ小説 | ナノ


死の回廊を抜けたその先はおぞましい雰囲気を出す暗い大地だった。
人々に恐怖を与えるようなその大地をただ歩いている中、ふとキャンディが後ろを振り向いた。

「来る……。ミエルがあなたを奪いに来る。」
「どうしたの…?」
「あなたは先に行って。私にはやる事があるの……。」

ただ後ろを見つめているキャンディからは決意が感じられた。おそらく、これから来るミエル達と戦うつもりなのだろう。

「嫌だと言ったらどうする?」
「そんな事言わないわ。あなたはそんな事は言わない! 言ったらどうなるかなんて私にも解らないもの!! 言えるもんですか!!」

自分に向かって叫ぶキャンディから強い殺気を感じた。いや、おそらく彼女に憑いたエニグマから来る物だろう。
言葉を終えて再び振り向くキャンディをしばらく見つめると、ガナッシュは彼女を置いて再び先へと進んだ。


死の回廊を抜け出したミエル達はさらに緊張感が走ってきた。
回廊の奥のおぞましい風景のせいではなく、これから起きるかも知れない戦いのせいだろう。
気を引き締めて奥へ進むと、見覚えのある姿が目に映った。

自分達をただ見つめている、クラスメートのキャンディの姿が。

 
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テーマ「人外ファンタジー」
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