マジバケ小説 | ナノ


バスが海岸に向かう間はすでに夕日になり、バスの中は相変わらず色んな会話で賑やかになっていた。

「ショコラちゃんは学校の近くに一人で住んでますの?」
「うん。」
「お父さんやお母さんと住んでますの?」
「んーん。」

ペシュは学校の近くに住んでいるショコラと話をしてる内に、校長に見込まれて学校に来た事を知り、その会話にカフェオレも加わって自慢話をしていた。
そんな中、キャンディがピンク色の雰囲気を出しながらアランシアに色々と聞いている。

「ねぇアランシア。キルシュの事どう思ってる? 」
「どうって…幼馴染だけど。」
「小さい頃から一緒だと特別な感情ってないよね〜。」

果たしてそうだろうか?本人は幼馴染だと言っているが、その顔は少し赤くなっている。
本当は隠してるだけで、その特別な感情がアランシアにはあるのかもしれない。

「 キャンディ!バカ!兄貴は本当は、お前のことが……。」
「俺の話は止めろ!海に行くんだぜ!?」

慌てるあまり本当の事を言おうとしたセサミの口を塞ぎ、キルシュは必死で話題を変えようとしている。

「あ、そうだ!ミエル、カメラ貸せ!!」
「えっ?」

キルシュはミエルが持っていたカメラを取り上げると、奥で幸せそうにドーナツを食べてるピスタチオに向けてシャッターを押した。

「ぴっ!?」

突然自分を襲い掛かった眩しい光に驚きピスタチオは肩をビクリとさせた。

「フハハ!見ろよ!すんげぇ顔してるぜ!!」
「ぴぃぃぃっ!酷いっぴ!!」
「キルシュちゃん。私にも貸してほしいですの。」

いつの間にかクラスメートが交代しながら互いに写真を撮っている。
ミエルとキャンディとアランシアの3人がポーズを取った写真、言い争ってる内に撮られたカシスやシードルの写真、ぼーっと座っているショコラの写真等々。バスの中ではシャッターの音と光が途絶える事が無かった。

「ヘイへイ、ガキんちょども!!海が見えてきたぜぃ!!」

突然バルサミコの陽気な声がバス中に響いて窓の奥を見てみると
太陽に照らされてキラキラと輝く海が目の前に現れた。

「うわーーーーっ!もうすぐ海だーーーーっ!ひゃっほーーーーっ!」

キャンディを始め、ほぼ全員が歓声の声を上げた。
マドレーヌ先生のクラスの16人の臨海学校が今、始まろうとしていた。

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