マジバケ小説 | ナノ


6人が歩く中、最初に辿り着いたのはポット達が住んでいるガスパッチョ村だった。
緑色や赤色のポットがフヨフヨと浮かびながら歩き回ってる村は死のプレーンとは似合わないほど穏やかな所だった。
村から出るために南の方へ向かうと、何だか歪んだ道を歩いてるような感じがして気が付けば最初に居た場所にいた。

「何なんだこれ?」
「もしかしてワープ?」
「そんなもんじゃないと思うヌ〜。」

また村を出ようとしても同じ事が繰り返し、店に入れば外にいて、誰かに尋ねてみようと人の家に入れば店に居る。
とにかく何もかもがごちゃごちゃだった。

「あああーー!!!!」

とうとう苛立ったのかキルシュが大声を出した。そんな彼を見てもポットはただフヨフヨと歩き回るばかり。

「どうするんだよ!?これじゃあ全然進めないじゃないか!!」
「落ち着いて!!」
「とりあえず、外に居る誰かに聞いてみるか?」

そうやって近くにいたポットに聞いてみると、クラインと言うものが何かのマシーンを作って空間が捻じ曲げられたらしい。
今はクラインはタンドーリという所にいるらしく、ここから南の方に行けばタンドーリに着くらしい。
だが、ごちゃごちゃになってる場所でどうやって行けるのか解らなかった。
いろいろ試してみると、誰かの家の中に居た。ガスパッチョ村の村長の家だった。
誰かが現れた事にさえ驚かなかった村長はミエル達を見ながら口を開いた。

「息子のクラインが、みなに迷惑をかけております。息子はみなを楽しませようと空間の捻じ曲げの研究を始めました。
しかし、楽しみも長くは続きません。楽しい事を終われば、また、楽しくなるのです。
こうして、時は流れ、誰もがひとえに、皆様のお陰で今に至りました。
折しも、太陽の恵みがサンサンと輝く8月、もし、そうなら、どうしますか?」

どうやらクラインは村長の息子らしい。だが、その後の話はなかなか理解が出来なかった。
楽しい事が終われば楽しくなる?そもそも自分達が来たから今になった?
太陽は確かに8月になると一番輝く、が、それが何だというのだろうか?

「……さあ、そんな事聞かれても…。」
「それでは、私の気がおさまりません。いいですか、もう一度よーく、聞いてください。
私の息子は空間を捻じ曲げて遊んでいたのです。
そこへ、あなたがたが現れて、私の村の現実から目を反らし、どこへ行こうと言うのですか?
私は事実だけを言っているのではなく、それはむしろ事実なのです。でなければ、それはなんですか!?」
「…はい?」
「そうだ!むしろ、こうしよう!あなたが、南のタンドーリに行き、クラインの遊びを止めさせるとしたら、私は外に居る先代のツボに、あなた方が会うように望む。倒置法。」
「…えーと、クラインを止めて欲しい。と言うことですか?」
「あなたとの会話はとても疲れます。とりあえず、これをあげよう。」

何の会話をしていたのか解らないまま、ミエル達は村長からクラインを止めて欲しいと要求され、死のプレーンの地図をもらった。
その後また何度も歩き回ってる内に、ようやく南の方へ行ける様になった。

 
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