マジバケ小説 | ナノ


トリュフ達はエニグマに憑かれたドワーフがショコラに何かをする前にショコラを助けに行こうと、モルビエ火山へと走って行った。
その中でもトリュフは他の皆より大分大きく距離を取りながら走っていた。

「待てよ!もう少しゆっくり行ってくれよ!」
「万が一手遅れになったらどうする!?本当に炙られたら、取り返しのつかない事になるんだぞ!」
「いやそうだけど…てあれ?ガナッシュ?」

キルシュが驚いたように見た所には自分達とは逆の方へと走っているガナッシュとカベルネがいた。

「何だお前等?ショコラを助けに行ったんじゃないのか?」
「トリュフ?」
「あ、ちょうど良かったヌ〜。キャンディ達見なかったヌ〜?」
「キャンディとティアクラウン?一緒じゃないのか?」
「いや。俺達を追ったみたいだが、途中で居なくなってしまった。」
「何だって!?」

キャンディが行方不明になったと知り、キルシュは驚きと不安が頭に満ちていた。

「追いかけて来た事も気付いてなかったのか。お前らしい。」
「何だと!?」

何を言ってるのかと思えば、トリュフが落ち着いた、けど怒り混ざったような声でガナッシュを嘲笑うような言葉を放った。

「お前はいつもそうだ!他人より自分を優先する!周りの人に何があったかはお前の知った事じゃないんだろう!?」
「くっ……お前…!!」
「おい、やめろ!!俺達ここで喧嘩してる場合じゃないだろう!!」

カシスが止めたおかげで大きな喧嘩にはならなかった。
が、こうしてる間にもショコラはもちろん、行方を眩ましたキャンディとオリーブも危険な目にあってるかもしれない。
一刻も早く見つけなければならなかった。

「なら俺達はショコラの所に行く。2人の事は任せたぞ。」
「……ああ。」
「頼んだヌ〜。」

二手に別れ、トリュフ達はショコラを、ガナッシュ達はキャンディ達を探しに行った。
何処にいるのか確信が付いたのではないが、今は3人とも無事にいる事を祈るしかなかった。

洞窟全体が熱に覆われていて、溶岩がグツグツと音を出しているモルビエ火山の入り口からマッドマンを連れたドワーフが入ってきた。
マッドマンを押しながら火山の中に入る途中、後ろから鋭い声が聞こえた。
マッドマン、ショコラの担任のマドレーヌだった。

「ショコラを放しなさい!!」
「!!!追っ手が来たべさ!!逃げるべさー!!」
「待ちなさい!こら〜!」

ショコラを押してるとは思えないほどのスピードで逃げるドワーフをマドレーヌは追いかけた。

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