ガナッシュを説得したオリーブは2人でバスへ戻って来た。
オリーブは最初に座ったペシュの隣へ座り、1つの席が空いてる。
その席に座っていた人は眉を顰めたままガナッシュを見つめていた。
「…隣、いいか?」
「……。」
ミエルは何も言わず、ただガナッシュを睨みつけていた。
実は、ミエルが仲直りするべきだとブルーベリー達が言っていた相手はガナッシュだったのだ。
以前2人で大喧嘩をした事があって、それ以来ミエルはガナッシュを酷く憎んでいる。
ガナッシュが隣に座ると、ミエルは急に立ち上がった。
「キルシュ。席変わって。」
「えっ??何で俺が??」
「(あそこだとキャンディが良く見えるよ。)」
「(おお、そうか!!サンキュー!!)」
多少時間が掛かったが、これでようやくクラスの全員が揃った。
魔バスの運転手は半魚人のバルサミコ。
自分でラッパや太鼓の音を出したり「かっこいい!!」と言って全員がうざがっているが
運転の実力はそれなりに高く評価されている…らしい。
「それでは目的地のヴァレンシア海岸に向けて~.」
バスのエンジンがかかった瞬間、不安が広がっていた。
「レディーーーーッ!ゴーーーーーッ!!」
ジェットコースターのようなスピードでバスが走り出した。すると、
物凄い音を立てたと思えば、さっきまで目の前にあった大きな校門がいつの間にか砂のようになっていた。
それを気にせずただバスは走っていく。
「……。」
カシスは呆気なく壊れた校門を見つめていた。何者かに校門を破壊される噂の真相が明らかになった瞬間だった。
「はい、カシス・ランバーヤードさん感想をどうぞ。」
「るっせぇ!!」
この後、カコーンと言う冴えた音がシードルの頭から聞こえた。
が、この音はやがてバスの中に居るほとんどの人の笑い声によって掻き消されてしまった。
to be continued……
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