エニグマの森を覆っていた不気味な闇が消え、現れたのはまた森。
だが、エニグマの森とは違って明るくて、穏やかな雰囲気を出していた森。ツリーマンの森だった。
ツリーマンとは名前のように木を擬人化したような種族で、この森のように穏やかな時間を過ごしている。
「やっと出られましたの!!」
「見ろよあれ!!木が動いてるぜぇ!!」
こんにゃく様で大騒ぎを起こしたセサミが今度はツリーマンを見て驚いた。
自分の故郷に無かったものが目の前にいるのは10歳児にとっては凄い事なのだろう。
「ガナッシュタチヲサガシテサッサトカエルゼ〜。」
「ショコラも助けなきゃな。」
「……なあ。少し聞きたい事があるが、あのプレーンに連れて来られたのってお前等だけだったのか?
あのぼんやり先生は一緒じゃないのか?」
クラスメートを探そうと言ったカシス達を見て疑問を浮かべたトリュフ。
もし臨海学校に行ったのなら担任の先生も一緒にいた筈だ。
なのに、エニグマが襲ってきたのにその担任の先生がいないという事はどう考えても可笑しい。
「ああ、言われてみれば。」
「先生も連れて来られたんじゃないかな?ほら、先生ボーっとしてるし。」
「でも、見つからないよね。本当に連れて来られたのかな?」
だが、光のプレーンにも闇のプレーンにも、マドレーヌの目撃情報は無い。これはかなり疑問になる事だった。
少し情報を得ようとした時、遠くから声が聞こえた。
「皆はまだ、光のプレーンにいるのかしら………それとも、こっちに連れて来られたりしてるのかしら………。」
「先生の声だ!」
「センセイノ、コエ!?センセイ、イルノカ!?」
何とまあ、その声のした方に居たのは、先程話題になったマドレーヌの声だった。
ミエル達はそのマドレーヌがいる橋の方へ駆けつけた。
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