マジバケ小説 | ナノ


キラキラ光る川の上にぽつんとある木の下。ガナッシュはそこに座ってハーモニカを吹いていた。

「やっぱりここにいたのね。」
「!!!」

声がした方へ振り向くと、自分と似たような服を着ている赤い髪の女性、自分の姉がそこにいる事に驚いた。
だが、その姿はだんだん薄くなり、緑色の髪をした小さい女の子、オリーブが目の前に居た。どうやら、長い間姉の事を考えていたあまり、オリーブを姉のヴァニラだと錯覚していた様だ。

「キャンプには行かないの?」
「……オリーブか。」
「お姉さんの事考えてたんでしょ?」
「…お見通しか…そこまで見透かされるのも辛いもんがあるな。」

ガナッシュの姉のヴァニラは3年前行方不明になっている。
何故そうなったのか気になってはいるが、真実を知っても何の意味も無いだろうと諦めていた。

「ずっと逃げてばかりじゃダメよ…。ヴァレンシア海岸で何があったかちゃんと調べてみようよ…。」
「何もないよ。海岸にはただ、波が打ち寄せているだけさ。楽しく笑ってる奴等を横目に見て、自分の血を呪うんだ。」

姉が可笑しくなったヴァレンシア海岸に行っても得ることなど何も無い。
そんなガナッシュの心を読んでオリーブは不安が満ちた顔をして振り向いた。

「そんなんじゃないよ…。解るんだ…何かが起きるの。海岸で何かが起きて…皆いなくなる……!」
「俺の姉のように?」
「助けて!!皆を助けて!!」

 
(5/6)
戻る
×
「#ファンタジー」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -