マジバケ小説 | ナノ


相手は巨大なラドハスネルとアラクネイラ二体。決して油断してはいけなかった。
魔法使いの生徒がそれぞれ精霊を呼び出すと、虫の精霊バズ、風の精霊エア、刃の精霊スラッシュ、愛の精霊ウィッシュ、美の精霊パウダー、そして古の精霊クロックが現れた。
エニグマ達も、まるで嫌がらせのように闇の精霊ニルヴァを呼び出した。

「ケッケッケ。どんなに歯向かおうと無駄だ。」
「それはどうかな?」
「何だと!?」

挑発するように語るトリュフにエニグマは苛立った。
だが、気が付けばいつの間にかニルヴァは居なくなり自分達に襲い掛かるヘルダイスが飛んできた。

「チッ、そっちにも闇の使いが…」
「今更気付いたか。愚かな奴等だ。」

嘲笑うような笑みを浮かべるトリュフ。その後ろから3体のエアに取り囲まれたミエルが飛び上がり、大きな竜巻を起こした。
精霊の加護を受けて強くなった風の魔法は、闇属性のエニグマにもかなりのダメージを与えていた。

「それぞれ1体ずつやっつけるよ!私はあのムカデさんを相手にするから皆は残りをお願い!!」
「おう!!終わったら行くから、それまで持ってろよ!」

それから戦いはずっと続いていた。
ニルヴァが全員いなくなった隙にシードルがブラックローズを唱えてアラクネイラを麻痺させ、カフェオレのはぐるまロボがそのアラクネイラを襲った。
もう1人のアラクネイラは最初の時より弱弱しい闇の魔法を放っている。
セサミの虫の魔法で攻撃力が下がったのだ。そしてカシスが最強魔法エクルヴィスを放つと、無数の刃がアラクネイラを襲い、消滅した。
そしてミエルは、無数の風の刃をラドハスネルに放った。
トリュフの魔法はエニグマには聞かないため、ミエルの前で闇の魔法を放ちながらサポートをしている。
ペシュはそんなクラスメート達を愛の魔法で回復し続けていた。
エニグマもそれに負けないように闇の魔法を放つが、ニルヴァの加護を受けないのじゃ何の意味も無い。
完全に自分に不利な状況にラドハスネルは苛立ち、その原因となったトリュフを睨み付けた。

「クソッ。小賢しい真似をしやがって。」
「何だ、悪いか?」
「魔法が駄目なら、力で潰すまでだ!!」

そう言うと、ラドハスネルはトリュフに向けて手を振り落とした。
だが、トリュフはかわすどころか、後ろにいるミエルを庇ったまま身動き1つしなかった。
やがてラドハスネルの手がトリュフの顔まで近づいた時だった。
手がトリュフの目の近くまで辿り着きそうだった時、その手はトリュフの手に掴まったまま動かなかった。
予想できなかった事にラドハスネルは驚きを隠せなかった。

「相手が悪かったな。お前等もそれなりに強いのにな。」

そう言うと、トリュフの目がラドハスネルに向けられた。空のような澄んだ青い目と、血に染まったような赤い目が。

「なっ!?その目は…」
「ああ、そうだ。お前等が与えた、呪われた目だ!」

そう言うとトリュフは鋭い目付きで睨みながらラドハスネルに拳を入れ、3体のニルヴァの加護を受けたアビスをラドハスネルに放った。
その威力に耐え切れず、ラドハスネルはドスンと音を出し、そのまま崩れた。

 
(3/4)
戻る
×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -