マジバケ小説 | ナノ


メースから文鳥の退かし方を聞いた後、ずんどこ穴から出てきたミエル達。
早速東の森に行こうとすると、トリュフが声を掛けた。

「なあ。少し寄り道しないか?」
「寄り道?」

突然の提案に、全員が足を止めた。

「ここからもう少し奥に行くと、アクアビットと言う水で出来た城があるんだ。」
「水で出来た城ですの!?」

水で出来た城と言う言葉にペシュは目を見開いた。
光のプレーンにも宮殿はあったが、レンガ等の石材ではない別の物、それも水で出来た建物なら誰もが不思議に思うだろう。

「せっかくここまで来たんだ。行ってみるのも悪くないだろう。あそこは観光地としてもいいし。何より……」
「それは、また今度にしよう?」

アクアビット城に行こうと言う提案を断ったのはミエルだった。

「キャンディ達を探さなきゃいけないし、他の皆も、もうすぐ迎えに来る筈だから。
行くのは、全員集まってからにしよう。」
「…そうだな。」
「よし、じゃあ行くか!ガナッシュ達を探しに!!」

カシスを始め、ミエル達は再びタピオカティ村へと戻っていった。そんな彼女達を、トリュフはただ遠くで見ていた。

「やれやれ、鈍感だギャ。」

そう言って、ニルヴァがトリュフの元へ現れた。

「どうして解ってくれないのか解らないギャ。」
「解る訳ないだろう。今のあいつには、俺はまだ見てままならないクラスメートなんだ。」
「本当にこれでいいギャ?お前の事、一生知らないままでいいギャ?」
「俺は別に構わない。例えそうであっても、俺はあいつを守り続ける。」

トリュフが片目を隠した髪を後ろに流すと、左の目とは違う赤い目が現れた。

「あの時から、そう誓ったからな。」

to be continued……

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