ミエル達が砂漠を渡ってる間も、ペシュやカフェオレがアメフラシに触れ、涼しい雨が砂漠の砂を濡らしていた。
「全く、お前さえ居なかったらこんな苦労する事もねぇのに。」
「ツメテェナァ。ジャア、ソノマジックドールハナンデモッテンダ?」
「別に好きで持ってきた訳じゃねぇよ。こんな…」
「いやあああ!!!」
カフェオレとトリュフが言い争う中、いきなり大きな悲鳴が響いたと思えば、ミエルがアメフラシを持ってるカシスに追われていた。
「いやああ!!来ないでぇ!!」
「逃げるなよぉ。」
「カシスちゃん!!いい加減にしますの!!」
ペシュが止めても、カシスはミエルを追うのをやめなかった。やがてミエルとカシスがトリュフ達の方へ来た時だった。
「うわっ!!」
ミエルがトリュフを通り過ぎ、カシスがトリュフの近くまで来た時、トリュフがカシスの足を掛け、カシスはその場で倒れこんでしまった。
「いってぇな!何すんだよ!?」
「お前が悪いだろうが。」
「何だ……」
言い返そうとするカシスだったが、自分を睨んでいるトリュフの圧倒的なオーラに、これ以上は何も言えなかった。
「へいへい、悪かったですよぉ。」
「詫びるならあの子にやれ。」
「……へいへい。」
トリュフとカシスの言い合いが終わった時、ちょうどミエルも戻って来た。
現在はシードルと話をしている。
「あの2人、元からああなの?」
「まあね。ほら、カシスって面白い事が好きじゃん?トリュフはそうゆうのが一番嫌いで、2人とも気が合わないんだよね。
会うたびにあんな風だからこっちはもう見てられないよ。」
「……。」
2人で話をしてる内、ミエルがシードルを見ながら微笑んでいた。そんな彼女をシードルは不思議に思った。
「どうしたの?」
「何か、海岸での約束の事を思い出して。」
「ああ、あの時はまさかこうなるとは思わなかったけどね。」
「いいじゃない。こうして2人で歩いてるんだし。砂漠での散歩も結構いいよ。」
そう言うとミエルはシードルの腕に自分の両腕を絡んだ。彼女の行動に顔が少し赤くなったシードルだったが、振り払おうとはしなかった。
「戻ったら、本当に海で散歩しようか?2人で。」
「うん。」
「おい!何ノコノコと歩いてるんだ!着いたぞ!」
遠くからカシスの怒鳴り声が聞こえ、前の方を見れば小さな洞窟の様なものが見えた。あれがずんどこ穴なのだろう。
ミエル達はカフェオレがバテないよう、急いで穴の中に入って行った。
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