マジバケ小説 | ナノ


「おい、起きろ!!」
「あーもう、うるっせぇな……。」
「不満ならさっさと起きろ。もう全員起きてるぞ。」

タピオカティ村の宿屋で金属を叩いてる音が響いてると思えば、いつの間にか軽そうな白い衣装に着替えていたトリュフがフライパンを叩き続けていた。
カンカンと鳴り続けるその音に未だに寝てる人は不満を抱いてる。

「もう少しマシな起こし方ねぇのかよ…?」
「お前にはこれで十分だ。文句あんならシャワーの水ぶっ掛けるぞ。」

決して冗談を言わないトリュフの事だから、本気でそうするつもりなのだろう。
ブツブツと不満を言いながらカシスもようやく起き、トリュフ達は砂漠へ渡る準備をした。

「アメフラシってどんな生き物ですの?」
「さぁな、見れば解るだろう。」
「名前から見ると、凄く可愛いと思うな。何かこう、妖精みた……」

アメフラシの形を予想しながら砂漠に向かう中、ミエルが何故かその場に立ち止まった。
砂漠の中でミエル達を出迎えたのは…

「きゃあああ!!ナメクジーー!!」

大きな紫色のナメクジだった。クネクネと動くナメクジ達を見てミエルは大きな悲鳴を上げながらトリュフにしがみ付いた。

「あれがアメフラシか。」
「ひぃいい!!あれに触れるの嫌だよぉ……。」
「何だ怖いのか?別に襲ったりしないぜ。ほれ。」
「いやあああ!!」

紫のナメクジがアメフラシだと解ったミエルは顔が真っ青になり、そんなミエルの顔にカシスがアメフラシを近づけた。
それが余計にミエルを怖がらせる事を知っててやってるようだ。

「やめろカシス。」
「いいじゃん。別に襲ったりしないだしさ。」
「そのアメフラシみたいにクネクネになりたいか?」
「……へいへい。」

黒いオーラを出しているトリュフに負け、カシスはアメフラシを放した。
そして、ミエル達はずんどこ穴にいるメースを探しに砂漠を渡り始めたのだった。

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