「何だぁ、さっきから?騒がしいぞ。」
「カシスちゃん!トリュフちゃんとミエルちゃんは両思いですの!まさに愛ですの!!」
「はぁ?トリュフが??」
ペシュがアタフタとする中、トリュフを怪訝そうに見るカシス。
目付きが悪く、暗いオーラを放つ、こんなトリュフが人を好きになるなんてとても信じがたい。
「まっさかぁ。単なる冗談だろう?それより飯出来てるぞ。」
「あ、今行きますの!」
「……まさかヴォコじゃないだろうな?」
「そうだぜ。ちっとは食べろよな。」
「……俺はパス。」
「トリュフちゃん!好き嫌いはいけませんの!!」
ヴォコと言うのは物質プレーンの国産品で、魚肉を練って焼いた物である。
だが、トリュフは魚類が苦手で、ヴォコもあまり好きではなかった。
「なんだ。まだ食べれないの?」
「関係ないだろう。」
「ちゃんと食べないから いつまで経ってもチビなんだよ。」
「何だと?」
トリュフの一番敏感な所に触れたシードル。
だが、同じ年なのに背に差があり過ぎてトリュフは何も言えなかった。
「え?トリュフ君、魚食べれないの?」
すると、ミエルが厨房から出て来た。
「カッシーが使ってたのが残ってたから、魚のロールキャベツ、作ったんだけど………。」
「!?」
トリュフが石化した。そんな彼を見てシードルはニヤニヤと笑った。
「あーあ、ついてないねぇ。こりゃ悩むだろうねぇ。食べるべきか食べないべきかって。」
「……解ったよ!!食えばいいんだろう!?」
逆ギレしたトリュフだったが、シードルとカシスはそんな彼を見て思わず笑ってしまった。
夕食はヴォコとロールキャベツの他にも、肉じゃがやサラダ等、様々なおかずがあった。
「うわ〜〜どれも美味しそうですの!!」
「これ全部2人で作ったの!?」
「3人で。カフェも手伝ってくれたの。」
「オウ!オレサマ、ダイカツヤクシタゼェ!」
ゲラゲラと笑うカフェオレ。
全員が美味しそうに食べる中、トリュフはロールキャベツとにらめっこをしていた。
「そんな顔すんなよ食欲無くすなぁ。」
「しょうがねぇだろう?嫌いな物は嫌いなんだから!」
「(デモヨォ。タベナカッタラ、ジョウチャンナクゼェ。)」
「………。」
「いいよ、無理して食べなくても。誰だって好き嫌いはあるんだから。
私も、揚げ物とか食べられないんだし。」
「ああ、そう言えば、以前コロッケ食べて、何時間かトイレから出られなかったよねぇ。」
「もう!!好き嫌いは駄目ですの!」
ミエル達が話し合う中、ようやくトリュフがロールキャベツを口に入れた。
嫌そうな顔でそれを噛むトリュフの顔が実に面白い事になってる事は、本人には内緒にして置こうとその場にいた全員が誓った。
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