マジバケ小説 | ナノ


「ふぅ。危なかったですの…。」
「やれやれ、トリュフも容赦ないね〜。」
「本当ですの!少しは大目に見て欲しいですの!」

トリュフから逃げ出したペシュはシードル達のいる所に辿り着いても、顔は未だに真っ青だった。

「ミエルも気を付けた方がいいよ。トリュフを怒らせると、ああなるからね。」
「……。」

シードルがこう言っても、ミエルはまだ顔が赤くなっている。

「でも、隠れファンの事はどうしますの?」
「隠れファン?」
「ミエルちゃんにプレゼントをくれた人ですの。今もきっと、見つけてくれるのを待ってるはずですの!」

ミエルにペンダントを渡した人、ペシュはその人を隠れファンと呼んでいる。
今は余り気にしない他の皆とは違って、ペシュは必ず見つけ出すと奮闘していた。

「隠れファンとトリュフちゃん、どっちを選びますの?」
「別にそんなんじゃないってば…。」
「落ち着きなよ。それに、プレゼントをくれた人がもし女性だったらどう…」
「あ!隠れファンがトリュフちゃんだったら、もっと素敵ですの!」

他の皆の言う事を聞かずに話を進めるペシュ。
そんな中、やっと事を済ませたのか、トリュフがミエル達の所に戻ってきた。

「茶化すのもその位にしな、ペシュ。」
「あ!トリュフちゃん、ちょうど良かったですの!」
「あ?」
「これ、トリュフちゃんがあげましたの?」

ミエルのペンダントを指差して聞き出すペシュ。
遠くでそれを見ているトリュフは、何だそれ、と言ってるかのように眉を吊り上げた。

「いや、そんなもん見た事もないな。」
「そうですの?」

残念な事に、トリュフではないようだ。ペシュの頭に浮かんだ、ミエルとトリュフは両思いだと言う考えは、その場で消えてしまった。

「そんな事より、今はクラスメートを探すのが先だろう?グズグズしてると、追い付けなくなるぞ。」
「ソウソウ、イマハガナッシュタチヲミツケルコトヲカンガエヨウ。」
「……でも、いつか必ず見つけ出しますの!!」
「やれやれ…。」

ペシュの『ミエルの隠れファン探し』はそこで終わり、ミエル達は奥にある村、タピオカティ村へと向かった。
気絶したカシスがようやく起き、居なくなったミエル達を探しに沼中を彷徨ったのは、それから数分後の話である。

to be continued……

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