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※学パロです。
高校生位だと思ってください。

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剥き出しの腕にジリジリと痛い程に突き刺さる日差し。
まだ家を出て数分しか経ってないのに、既に俺の頬には汗が伝っていた。
「あちぃ…」
日陰のある場所を選んで歩いているが、暑いものは暑い。
思わず呻き声にも似た独り言が出てしまったけれど、これは仕方の無いことだと思う。
大体、俺は好き好んで外に出てきたわけじゃない。
事の発端は、一週間程前。
戻れるならば、あの時の自分を全力で止めたい。
『もうすぐ通知表くるね。』…そんなヒロトの何気無い一言からどんどん話は進んで行き、最終的には何故か成績の良さで勝負することに。
元々負けず嫌いな性格だけあって、明らかに不利な勝負なのに乗ってしまった。
『一番成績悪かった奴は、アイス奢りな!』
…お前馬鹿だろ、自分の頭の悪さを考えてから言え。
なんて、過去の俺に言っても現状は変わるわけなくて。
結果は勿論ボロ負け。
大体ヒロトの通知表おかしくね?
あんなに10ばっかとかあいつはなんなんだ。
風介だって、授業中は寝てばっかのくせに割といい評価だったし。
今更悔やんでも仕方ない。
とりあえず、そんな訳で俺は今コンビニへ向かっている。
家から徒歩で10分もかからない位置にあるのだがこの暑さのせいで中々足が進まず、着いた頃には既に出発してから15分程経っていた。
自動ドアが開くと同時に、ひんやりとした心地いい冷気とやる気のない店員のいらっしゃいませの声。
こういった所で色々見て回るといつの間にやらカゴがいっぱい、なんてことがよくあるので、それを避けるため足早にアイスコーナーへ向かう。
あいつらの注文は…
『私はガリガリ君、勿論ソーダ味な。』
『俺はなんにしよっかな…じゃあハーゲンダッツ苺味で。』
駄目だ思い出したら腹立ってきた。
いや風介はいいよ、あいつすげぇ安上がりじゃん。
問題はヒロトだよあいつ迷った挙句何高いの頼んでんの?俺の財布事情知ってんの?鬼かあいつは。しかも苺味て。女子か。
ハーゲンダッツ、あるにはあるんだけどこのまま素直に買ってくのも癪なので全員ガリガリ君でいいよな、うんいいよ。
自己完結し、アイスを3つ手に取りレジへ。
店員がバーコードを読み取るのに苦戦している間、何気なく後ろの棚を見る。
そこにはいかにも夏って感じの飾りつけと、花火が置かれていた。
線香花火を中心に何種類かの花火が無造作に詰められた、よくある感じの大きな袋。
いつもなら何も思わないけど、何故かその時は目が離せなくて。
手前にあった奴を手に取る。
花火なんて、もう何年もやっていない。
多分それは、あいつらも同じだろう。
「……すいません、あとこれもお願いします。」
やっとバーコードを読み取れたらしい店員に花火を渡すと少し迷惑そうな顔をされた。申し訳ない。

店を出ると、来た時よりも日差しは弱くなっていた。
時計を見ると、16時ちょっと前。
手に持った大きな袋を見る。
中には、アイス3つと花火の大袋。
今日は、あいつら誘って花火やろう。
茂人達も呼んで、大人数でやるのも楽しそうだ。
考えただけでわくわくしてきた。
アイスが溶けないうちに、早く帰ろう。
いやぁ、中々それらしい夏休みが過ごせそうじゃないか。


まだまだこれから
(青春でもしましょうか)


end.

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ほぼ晴矢のみっていう。

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