ギャリイヴ

※年齢操作あり。
イヴ=高1くらいと捉えてください。
ギャリイヴというより、ギャリ←イヴ。
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今日は、イヴとお茶会をする日だ。
お茶会と言っても、ただ二人でお茶しながら他愛ない事を喋るだけなんだけど。
それでも、そう頻繁に会えるわけじゃないから毎回とても楽しみにしている。
いつもは街中にあるカフェなんかでするんだけれど、イヴがアタシの家でしたいって言ったから、今日は特別。
キッチンでお茶や焼き菓子なんかの準備をしていると、玄関のチャイムが軽快に鳴り響いた。
時計を見ると、まだ約束の時間の10分前だった。
いつもは時間ぴったりに来るのに珍しい。
そんなことを考えていたら、急かすようにもう一度チャイムが鳴った。
「はいはいはい、」
返事をしつつ、急いで玄関のドアを開けてやる。
「ギャリー久しぶり。」
「久しぶりね、元気にしてた?」
うん、と笑顔で頷くイブが以前よりも少し大人びて見えた。
初めて会った頃はまだ私の腰くらいの大きさだったんだものね。
時が経つのは早いわぁ。
「…ギャリー?」
美術館での出来事を思い出していると、イヴが顔を覗き込んできた。
いけない、まだ玄関先だった。
「あら、ごめんなさいイヴ。ちょっと考え事してたわ、さ、入って。」
「お邪魔します。」
靴を脱ぎ、リビングへ。
前にも何回か来たことがあるので、イヴは特に迷うことなく二人掛けのソファへ座った。
「じゃ、準備するからちょっと待っててね。」
「うん。」
キッチンへ行き、ティーカップやらフォークやらを準備していると、イヴが ねぇ、と声をかけてきた。
「ん?」
「さっき、何考えてたの?」
「あぁ、ただ美術館でのことを思い出してただけ。時が経つのは早いわーって。」
そう言ってふふ、と笑うと、イヴは ギャリー年寄りみたい、と可笑しそうに肩を揺らした。
「やだ、失礼ね。まだまだ若いわよアタシ。」
態と頬を膨らませながらそう返すと、また可笑しそうにイヴが笑った。
それにつられて吹き出しつつ、お盆に載せたティーセットをリビングのテーブルまで運ぶ。
「はいお待たせ。」
「わー、マカロン美味しそう!」
お皿に乗せられたカラフルなマカロンを見て目を輝かせているイヴを見ていると、やっぱり見た目は変わっても中身は変わってないんだなぁと微笑ましくなった。
「…変わらないわね。」
ついそんなことを呟くと、イヴは 何が?と小さく首を傾げた。
「イヴが。成長しても、中身は昔のままのイヴね。」
微笑みかけると、イヴは一瞬目を見開いて、すぐにへらりと笑った。
「でもね、私もう高校生だよ。」
「知ってるわよ。」
「何でも自分で考えて、自分で決めれるの。」
そう言って笑ったイヴは、いつもと何処か違って、でも何も言えずにただ話を聞くアタシ。
「ねぇ、ギャリー。」
「なにかしら?」
聞き返すと、イヴは俯いてしまった。
暫く、お互い黙ったまま。
そろそろお茶が冷めちゃうんじゃないかしら、と思っていると、急にイヴがぱっと顔を上げ此方を向いた。
それにびっくりして、アタシもイヴの方を向く。
「私ね、私、ギャリーのこと好きだよ。」
急に何を言うかと思ったら。
初めてだったら驚くだろうけど、もう何回も言われているので特に驚かなかった。
「あら、アタシもイヴのこと好きよ。」
そう答えてやると、何やらイヴは不服そうな顔をしていた。
アタシ変なこと言っちゃったかしら、と不安に思っていると、イヴが再び此方を向いてきた。
「それは、どういう意味の好きなの?」
「どういうって…何て言ったらいいのかしら。そうね、多分私はイヴのこと妹みたいに思ってるんじゃないかしら、だからそういった意味での好き、ね。」
少し迷いつつもそう答える。
何となく恥ずかしくて、イヴから目をそらしていたけれど、いくら待っても返事がないのが気になってちらりとイヴを見る。
「え、ちょイヴ!?」
俯いたまま、イヴは大きな目からぽろぽろと涙を零していた。
もしかしなくても、アタシが泣かせちゃった、のよね?
理由が分からないけれど、兎に角必死にイヴに謝る。
「ごめん、アタシなんかイヴを傷付けるようなこと言っちゃった?」
恐る恐るイヴの顔を覗き込むと、暫く何の反応もなくて。
これは本格的にまずいな、と焦っていると急にイヴが立ち上がった。
「…イヴ?」
声をかけると、涙目のイヴが此方を見た。
その悲しげな目に、こっちまで泣きそうになる。
「私が言った『好き』は、そういう意味じゃない。」
「え?」
「私は、兄とかそんなんじゃなくて、男の人としてギャリーが好きなんだよ。」
アタシの目を見たまま告げられたその言葉の意味が暫く理解出来なくて、ただぼんやりと目の前で顔を赤くしているイヴを見ていた。
「え、っと…」
「…帰る!」
そう叫ぶや否やイヴは自分の荷物をぱっと掴むと、玄関へ走っていった。
「ちょ、イヴ!?」
驚きつつ引き止めようとするも、そのまま靴を履き玄関のドアを開けて出て行ってしまう。
どうしよう、追いかけようか。
でも来て欲しくないかもしれない。
とりあえず色んなことがありすぎてぐちゃぐちゃした頭の中を整理しようと、既に冷めている紅茶を一口飲んだ。
その味に少し心が落ち着く。
改めて、先程までのやり取りを整理してみよう。
えっと、イヴはアタシが好きで、アタシもイヴが好きで。
でもそれは妹として、って言ったら泣いちゃったのよね。
その後、イヴがアタシに自分が言った好きはそういう意味じゃない、って言って帰っちゃって今に至る、と。
つまりイヴってアタシのこと恋愛的な意味で好きなの?
今更そのことに気付き、かぁっと顔が赤くなる。
え、今までそんな素振りしてなかったじゃない。
そりゃあアタシもイヴのことは好きだけど、でもそれは恋愛感情とかじゃないはず。
でもイヴが悲しんでたらアタシも悲しいし、笑ってたらもっとその笑顔を見たいと思う。
もしイヴが知らない男と付き合うことになったら、何て考えたくもないし、あれ、なんかもう自分でも自分の気持ちが分かんないわ。


あとどれくらい?
(その『好き』が恋愛感情だと気付くまであと…)

end.

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微妙な終わり方。
この後ギャリーはイヴを追いかけます。
それでなんやかんやくっつくんですけどそこまで書く気力がなかった\(^o^)/

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