残連

今日はレンレンの誕生日なので、今までみんなで誕生日会をしていた。
ひたすら飲んで食っての大騒ぎ。
レンレンはずっと楽しそうにしていた。
ボクも楽しかったけれど、あの時みんなの前では気恥かしくてプレゼントを渡すことが出来なかったのだ。
だから今、こうしてレンレンの部屋の前に来た。
軽くノックをし、入っていーい?と聞くと中から相変わらずののんびりした声で おー、と返事が返ってきた。
ドアを開け、中に入る。
「どうしたー?」
「んー?それはね、」
じゃーん、とプレゼントを出そうとした時、ある物が目に留まる。
「…それ、」
「ん?おぉ、このネックレス?」
床に置かれた机の上に置かれたきらきら光るシルバーのネックレス。
それは、今自分の手の中にあるプレゼントと全く同じデザインの物だった。
レンレンへのプレゼントを選んでいる時に、彼によく似合いそうだと思って買ったのだが、まさか既に持っているとは。
「デザインが気に入って、最近買ったんだよ。これがどうかした?」
「いや、うん…」
煮え切らない態度のボクを不思議に思ったのか、レンレンが顔を覗き込んできた。
「ごめん、これ、レンレンへのプレゼントにって買ったんだけど。」
もういいや、と思い丁寧にラッピングされた小さな箱をレンレンへと手渡す。
あぁ、なんか今はそのラッピングすらも恥ずかしい。
おー、とか何とか言いつつレンレンががさがさと包装紙を剥がす。
蓋を開けたら机上のネックレスと同じ物がこんにちは。
「同じだ。」
「ごめんね、もう持ってるとは思わなくて。」
せっかくの誕生日なのに、こんな失態をするなんて。
こんなに落ち込んだのは久々だ。
申し訳なくて、恥ずかしくて、ずっと下を向いていた。
すると、頭にぽんぽんとあたたかい手が乗せられた。
「ありがとー、残夏。嬉しい。」
顔を上げると、レンレンがにこにこと笑っていた。
「ほんと?でも、2個もいらないでしょ。」
ついそんなことを言ってしまう。
するとレンレンは、ちょっと待って、と言い机に手を伸ばす。
そして、ネックレスを手に取るとボクの背後へと回った。
「残夏に、俺がつけてたのあげる。」
首筋にひんやりとした感触が。
暫く後ろでレンレンがもぞもぞやっていて、少しくすぐったかった。
「はい、出来た。」
下を向くと、胸元できらきらとネックレスが光っていた。
「貰っていいの?」
「いいよ、俺残夏から貰った奴つけるし。」
お揃いだなー、と笑うレンレンに、つられて笑顔になる。
「ごめんね、ありがとーレンレン。」
「ん。ほら、俺もつけたよ、見て見てー。」
いつの間にかレンレンの胸元にもボクのと同じデザインのネックレスが光っている。
「似合う似合う、レンレンかっこいー☆」
お揃い、だなんて、乙女思考でちょっと恥ずかしいと思っていたけれど、実際にやってみるとなんだか嬉しくて。
これじゃあどっちがプレゼント貰ったのか分かんないな、と思いつつ胸元のネックレスに手をやった。


end.


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大分ぎりぎりですが…反ノ塚誕生日おめでとう!
お持ち帰りご自由に…!とか言ってみる。



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