思い出す(2章残夏)

転生して、渡狸が前世の記憶を持ってないことを知ってから結構な年月が経った。
今までも彼が何も覚えてないことが何度かあった。
けれど、今回は今までとは少し違って。
前世でボクと渡狸は恋人同士だったのだ。
流石にショックだった、全て覚えてないなんて。
ボクは彼と何をして何処へ言ったか、昨日のことのように思い出せるのに。
だからと云って、彼を責めることは出来ないけれど。

仕方ない、忘れられるのなんて慣れてる。
そう自分に言い聞かせながら過ごす日々の中、ふとした瞬間に君と過ごしたあの日々を思い出す。
戻りたい、そんなことを考えてしまう。


思い出す
(好きだよ)
(あんなに簡単に伝えられたのに、今はもう)
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