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ノックもせずに俺の部屋にずかずか入ってきたかと思えば
「ったくもう、なんなわけこの部屋!」
かわいらしい顔で、悪態を吐く幼馴染。
「彼女に振られた」
「…どうせまたこき使ったんでしょう」
呆れた声で言われる。
…否定は、出来ない。
俺は昔からモテてた。それは自分でも分かってる。
告白されたら絶対に断らないし。
そんな俺なのに、何故か彼女と長続きした試しがない。
理由の一つは、この部屋。
俺は昔から片付けられない男だった。
そんな俺は彼女が出来たらその子に掃除をさせる。
でも、俺の部屋の汚さは常人が耐えれるものではないらしい。
「なんかベタベタするもの踏んだ!」
「それ多分おとといのラーメン。昨日寝てたら零した」
「なにこのティッシュの山…!」
「鼻炎持ちだからな。性欲処理に使ったわけじゃないから安心しろ」
「それでもアンタの体液でしょう?フケツー!」
言いながらも両手にはゴム手袋はめて、ごみ袋片手にそのティッシュを詰めていく幼馴染。
彼女が出来たらこいつはこの部屋に来なくなる。だから彼女に掃除してもらう。
フリーの時、俺の部屋を掃除するのはコイツ。
「ったくもう!本当に僕がいないと汚いんだから…!」
お前がいないと駄目なんだ、なんて言うには性別の壁やら今まで築き上げてきた厚い信頼やらが邪魔をするけど。
「本当にいつになったら気付くのかな…!僕だけが必要って…!」
「?なんか言ったか?」
「べっつにー!」
悪態を吐くこいつが、一番かわいい。
俺の将来のオクサマ候補。
2時間ですっかり綺麗になった部屋。
「ついでに夕飯作って。ハンバーグ」と強請れば「っもう!ホントにしょうがないんだから…!」とか言う幼馴染。
いや、だからもう早く俺の所に嫁に来いよお前。
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