あくまさんとあそぼ | ナノ
あくまさんとあそぼ



「おいオタク。邪気眼見せてみろよ邪気眼!」
「俺も見てー」
「ほらほら」

げらげら笑う不良集団。
全く、なぜ俺がこんなクソ相手にしなければならん。

「フン、雑魚が」
「ああ?!」
「何つったてめぇ」

本来ならこんな低俗な奴等と俺が同じ空気を吸っているだけでも奇跡としか言えんのに。
これも人間界での暮らしを学ぶためには仕方ないのかも知れんが…。

「…うっ、」

そんな事を考えていれば俺の第二の人格、ルシフェルが何かを言っている(気がする)。

「…静まれルシフェル…これは俺の体だ…!」
「は?え?何言っちゃってんのこいつ」
「やべー。頭イッてね?」
「くっ…お前ら離れろ…!」

ブンブンと腕を振り回して低俗不良集団を俺から離す。
ルシフェルが暴れだしたら俺には止められない。こいつらも、ものの3秒でミンチ肉になってしまうのだ。

「…飽きた。お前ら行こーぜ」
「お…おう」
「オタクしね!」

俺に怖気づいたのか三下共は立ち去っていった。
ふっ…俺に感謝するんだな。




そんなやり取りが学校であった訳だが。

「ううむ…」

現在自室。
俺は悩んでいた。
目の前にはグリモワール。
今日のような件があって思うのだが、俺は自分の力をもう少しコントロールしたほうがいいと思う。
一般人に手を出すとかそんなのは格下のすることだからな。
しかし…
前回の事が頭から離れない。

呼び出した悪魔に奉仕されるとか、あれが契約とは言っていたが、艶かしく動く舌の動きやら何やら思い出されてすごく気まずい。恥ずかしい。穴があったら入りたい。
だからずっとグリモワールは使わなかったが…

「リア、だったか」

正直会いたくない気持ちが半分。会いたい気持ちが半分。
契約したんだから色々と悪魔の力を試したいのは確か。別にまたリアにやらしい事をして欲しいとか下心が働いた訳じゃない。決して。
悪魔の力があれば今日みたいに無駄に絡まれる心配もなくなるというかなんと言うか。

そう思い、ペラペラと本を捲る。本の中には山羊に蛇にライオンに馬…色々な動物が書いてあった。
ただ、動物が書いてあるのは数ページだけで、後は良く分からない文字が書き連ねてある。
と、途中のページで俺の手が止まった。
開いたページには、豚の絵。
正直絵自体は怖いが、こないだの山羊も普通の動物と変わりなかった。
ほかの動物と比べるとなんだか安心できる風貌な気がする。
それにリアは色欲属性とか言っていたけど、この豚はどちらかと言うと食欲属性な気もするし…。
そうと決まれば。

「エロイムエッサイム、エロエロぶっ…」

…噛んだ。




「……おい」

そして召喚に成功し、俺の前には豚が一匹居るわけだが…
現れるなりリビングに駆け出した豚は、用意してあったせんべいやらバナナやらをもりもりと食べている。しかも袋ごと皮ごと。
暫くは唖然としていた俺だがようやく我に帰って豚に呼びかけた。
親が居なくて良かった。しかしこの食いカスを片付けないと俺がどやされる。

「…おい!」

シカトしてる豚にもう一度呼びかければ、そのつぶらな瞳がこちらを向いた。

「なぁに?」

やはり喋れるらしい。
言葉が通じる相手に対して、なぁにもクソもあるか、呼び出してる相手ほっぽって人んちの飯漁ってんじゃねぇ、なんて…言いたいが、高貴な生まれの俺がそんな汚い言葉遣いをしてはいけないので何とか抑える。

「俺は伊吹だ」
「いぶ…?ああ、リアが言ってた包茎イブちゃんか」
「ほうけ…」

一瞬固まった。
…いや、大事なのはそこじゃない。そこも大事だがそこじゃない。
俺はこいつと契約せねばならんのだ。

「僕は悪食属性のラットだよ」

言いながら豚はその姿を変えて、ピンク色の髪をした男になった。
髪の色はふざけているが、こいつも美形。唇の端にせんべいの食べかすがついていなければさまになっているのに。

「そうか。早速だが契約だ」
「契約…あぁ分かった」

にんまり笑って、ラットは俺を押し倒す。
…ん?押し倒す?

「え、いや、ちょっ…何して、」
「んじゃ、いただきまーす」

なんだこのデジャブ。
とか思っている間に俺にキスをしてくるラット。

「や…やめ、」
「ん、ちゅ」
「っ!!」

口の中に舌が入ってきて、慌てた。
逃げる俺の舌を絡めとるように、ラットの舌が口内で蠢く。
舌を捕まえられて、吸われて、ねっとりと上顎を擦られて。

「っ、あ…ふぅ、…ん」
「ん、おいしー」

執拗なキスが終わる頃には俺は息絶え絶えだった。
半ば放心している俺を他所に、ごそごそと俺の服をまさぐるラット。

「おいしそうだねぇ…さくらんぼみたい」
「え、なに…やぁっ!」

胸に唇を落としたラットに、変な感触に慣れてない俺の口からは変な声が出てくる。
そんなところを舐められたのは初めてで、おかしいと思っているのになんだか胸がじんじんしてくる。

「やっ、な…何?んっ、あ…」
「ふわぁ…感度抜群、らね」
「しゃ、しゃべんなっ…」

唇同様に、しつこく弄繰り回されて、ふと自分の胸を見ればピンと立っているのが見えて顔が熱くなった。
同時にズクンと下半身に熱が集まる。

「んふふ、イブちゃん準備万端なんじゃなーい?」

カチャカチャと人のズボンを脱がしておきながら、存在を主張し始めている俺の息子にラットは笑う。

「い、うなぁ…っ!」
「これまたずいぶん可愛い契約者さんだ…」

言いながらも胸からまた唇に標的を代えたラットは、しつこくキスしながら片手で俺の雄に触れた。

「ん…っ!?ふ、やっ、んんっ」

立ち上がりかけてたソレはラットの手淫で簡単に立ち上がってしまった。
我慢汁を救われて尿道をぐりぐりと弄られて、軽く酸欠気味。
何度も胸を叩いてやっとラットの唇が離れた。

「ぶはっ…はぁ、はぁ……」
「ん、やらしい味ー」
「なっ…!?」

荒く息を吐く俺を余所目に先端を舐めたラットの軽口。
抗議の声を上げようとしたところで、ぬるっとありえない場所の刺激に目を見開いた。

「ちょっ、何して…ひぎっ!?」
「あれ?処女?かわいい顔してるから経験済みだと思ってたけどラッキー」

けらけらと笑いながらラットはそこ…肛門に指を進めてくる。
俺のモノから溢れる液体で濡らしてはいるけれど、ラットの言葉通り何かを入れたことのないそこはすさまじい激痛を俺に与えた。

「ほらほら力抜いてー切れちゃうよー」
「ひんつ!?やめ…っくぅ……も、おわり…だろっ…?」
「あーそっかぁ。リアしか呼んだ事ないんだっけえ?どうせフェラとか、リアに挿れて終わりとかだったんでしょ?」
「んん゛っ!」

くいくい指を曲げながら笑って言うラット。

「確かにねぇ、リアとか…キスで済ましちゃうへたれなライとかなら簡単だけれど、残念でしたぁ。契約は悪魔によって様々だからさ。まぁ…」
「ひゃん!?」

ラットの指が、いきなり他とは違う部分に当たって背筋が仰け反った。
性器を直接嬲られるのとは違った熱さに、くらくらとしてくる。

「僕も優しいからねぇ…本番はしないであ・げ・る」
「え、ちょ…なに…?んっ!ひ、あんっ…!」

そこばかりをゴリゴリ指で擦られて、自然に涙が滲んでくる。
あるのは確かな、快感。

「やっ…なに、いやぁっ!」
「ここの気持ちよさ知ったら病み付きになっちゃうよー」
「あっ…やだ、おかしくなっちゃ……!」
「次からは…色々挿れれるように今のうちにがんばろうねぇ?」
「っひ…あああんっ!!」

ごりっと一際強くそこを押されて、さっきから我慢の限界だったペニスから白濁の液体が出た。
……有り得ない…なんで。

「わぁお。最初からトコロテンなんて、素質十分だねぇ?イブちゃん」

恥ずかしさで死にたい。

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