腐った兎 | ナノ


18


「ごちそうさまぁ」

委員長お手製の夕食。
龍硫君のご飯もおいしいけど委員長のご飯もすごくおいしかった。
おいしいもの食べた後って、自然と笑顔になるよね。
満面の笑みを浮かべるオレに「お粗末様」と声を掛ける委員長はなんだか嬉しそう。

「おいしかったよ、委員長。ギャップ萌えだねー」

羊子ちゃんのまねをして言ってみれば「んだそりゃ」と、呆れ気味な会長。

「いや、だってまさかあの鬼風紀委員長がこんな特技持ってるなんて思わないじゃん」
「…相楽…どういう意味だ?」

ひくひくとこめかみを引きつらせる委員長。
だって…ねぇ。

「元ヤンだったってだけでも驚きなのに、まさか家事まで出来るとは……あ、」
「っ、おい!」
「相楽ぁ…?」

しまった。
まったりし過ぎたのかな、オレのお口が勝手に…。

「黙っとけっつったろ…!」
「あは。ごめん会長」
「かーみーふーじー?テメェかよ。余計なこと言った奴ぁ」

わわわ…やばい!
いつもは凛と厳しくて堅物な委員長なのに、今の笑顔ってなんか違う!
凶悪!悪人面!
一般生徒なら逃げ出すようなその笑顔にオレは内心ガクガクブルブル。

さっき会長の話聞いた限りじゃあ、半信半疑だったんだけど…これは本物ネタだよねぇ。
『あいつ…元は風紀委員に取り締まられる方だったからな』
って。
名前からして阿子島(あくがしま)だけど悪って…。
実は委員長、やんちゃだったんだねぇ。
なんだか親近感もっちゃった。

生暖かい目で委員長を見てれば、それに気付いた委員長。
…気まずそうに視線をそらされた。
ちょっとショック受けるけど、まぁいっか。

「…ん?相楽、携帯光ってる」
「え?」

音を消してたから気付かなかった。
会長に言われて机を見れば、確かにオレの携帯が光ってる。
画面を確認すると新着メール1件。

送信先は…龍硫君。
慌てて内容を見れば内容は、

『嫌だって言ったら、帰ってきてくれるんですか?』

「……」

どうしよう。

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