恋愛とはなにか


榛名くんに彼女が出来た。それはもう、女子からみたら、男の子に媚びて、性格悪くて、独占欲の強い嫌な子。んで、男の子にはモテるのだ。

私と榛名くんには、別になんの関わりもないけど、私の友達である冬本さんは、榛名くんの親友だからそれを結構気にしていた。

気にしてるといっても、少し心配してるってだけで、冬本さん自体は、隣のクラスの秋丸くんという人が好きらしいから、別に、別れて欲しいとは思わないらしい。

まあ、相手の方はそうじゃないらしいけど。

今日の朝、冬本が、彼女から呼び出しを食らった。

榛名くんに近付くなと、言われたらしい。

冬本は、いつもお昼を食べている空き教室で昼休みにそれを普通な顔で、独占欲強くて可愛い子だと私に報告をした。

なんでも、榛名くんが選んだ子に間違いがあるわけが無いのだという。

まあ、彼女がそういうのなら、そうなのだろう。

なんにせよ、私は榛名くんにはこれっぽっちも興味がないのだ。

「ただ、ちょっと純粋に榛名ばっかりになり過ぎだから、あの子は危ういな。それも、ただ危ういだけではなく、かなりだ」

危ういって何が?

「 まあ、榛名に近付く子に怪我させたりってあると思うという話だよ。ますます私がちゃんとあの子の敵になって、他に手を出させないようにしないとね」

あんたがそこまでする理由はなんなの?怪我とか、痛いじゃない。

「だからね。榛名が選んだ子には、間違いは無いんだよ。榛名は、確かに告られて、それが嬉しくて告白を受けただけだけど。でも榛名があの子を選んだのは必然じゃないかと思うんだ。ただ、私相手なら誤魔化せることが、私以外相手なら大事になる可能性がある。それは避けなければ」

そう言って冬本は、ふふふ。と笑った。

少し榛名くんを盲信しすぎではないかとも思ったが、冬本は冬本で彼に救われて、こんな風に私と友達をやれているわけで、確かにそんなものかも知れないと思った。

例の彼女の性格がどんなに悪くても、榛名くんはきっと、更生させられるだろう。

現に榛名くんはこの冬本は更生させたのだ。

一年のとき、女の子を一人イジメて、イジメて、イジメ倒して、学校を辞めさせた、最低で最悪な彼女をあっさりと更生させた。

まあ、はたからみている人間にとってあっさりだっただけで、もしかしたら壮絶な戦いみたいなものが繰り広げられていたかもしれないけれど、私は知らないからなんとも言えない。

「ただまあ、大怪我したら困るから、金原がギリギリのところで私を助けてくれることを期待するね、私は」

任せろ。

そう言って親指を立ててやれば、彼女は嬉しそうに、今度はにっこりと笑う。


まあ、確かに私にこんな素敵な友達を与えてくれた榛名は、信じてあげてもいいかもしれない。



2011/08/09
傍観夢とうとうやっちゃいました。傍観なので、夢主は最後まで榛名と絡みません。
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