片翼の鳥と少女/紗音?


※EP8まで読了後お読みください。でないとわけがわからないかと思われます。




〜〜〜〜〜〜〜

「私は、別に、真実が知りたくてここにきたわけじゃないのよ。ただ、あなたと昔話をしに来ただけ」

その事をまず、頭に入れておいて欲しかった。

彼女ではない彼女に。

私の欲した答えを答えてもらうその為に。





「この灰色の海が青く見える、ねえ。紗音はたまによくわからないことを言うけど、まあ、納得してあげる。あんたがそう言うなら、そうなんだろう」

あの日が訪れる前の六軒島にて、私は彼女にそう言った。

私には、彼女に言われる前から青く見えていた海。それを彼女が青いといったということは、そういうことなんだろう。

彼女は譲治のプロポーズを受けるのだ。そこで私の長年の片思いに終止符が打たれる。

勘違いしないでもらいたいのは、私の性別と好きな人だ。

私は女で、好きなのは紗音。

平尾千紗子は、紗音の幼馴染みみたいなもので、譲治ともそんなものだ。

何を隠そう、私は戦人の元婚約者。所謂許婚だった。

それというのも、3歳の時に母が死に、5つの時の事件をきっかけに、母の浮気相手の子だということが発覚し、私は、祖母と血の繋がっていなかったらしい父に疎まれるようになった。

そして、私が小学生の頃。父の友人であり、その時期資金繰りに悩んでいた、右代宮留弗夫に、資金を援助をする条件として祖母にあちらの一人息子、戦人と私を結婚させることを約束させた。そうやって私は戦人の家へと追い出されたのだった。

その後どうなったかわからないが、そこで一旦、留弗夫の会社は立ち直った。うちはうちで、結構法すれすれなことをやっていて、留弗夫のところもそうらしかったので、まあ、逆に何かあった時の為恩を売って、コネを作っておきたかったのではないか。もしくは、弱味でも握りたかったのだろうか。なんて子供なりに色々考えたけれど、資金援助のその後、特になんの動きもなかったことから、うまいこと私を外に放り出したかっただけのようにも思えた。

それでも、私は必死だった。事情を深くはわかっていなかった私は、もしも婚約が破棄されてしまったら、今度こそ"お祖母様"に完全に嫌われてしまう! と戦人を私に縛り付けることに必死になった。

そもそも嫌われているどころか、存在ごと丸無視されるようになっていたというのに呑気なものだが。とにかく右代宮に嫌われるわけには行かなかったのだ。

戦人の祖父、留弗夫の父にあたる、右代宮金蔵に挨拶をするときも、私は今節丁寧に、失礼のないようにご挨拶をした。もちろん鼻で笑われ、酷く貶されたことを覚えている。今思えばあの人は誰にでもそうだったけれど。私はそれでとても落ち込んだのだ。

そんな時。私は紗音に出会った。

「あの……、戦人様、そちらの方は?」

私が戦人と話していると、通りかかった彼女は控えめにそう話しかけてきた。

平日だった為、戦人と私が島に到着したときには、彼女は朱志香と学校へ行っていたらしい。

そして、彼女を一目見たときの彼の表情が、あまりにもわかりやすかったので、私は危機感を抱いた。

"戦人くんは、彼女が好きなのか。それならなんとかしなければ"

と。

あの時の私はあまりにも大馬鹿で、あまりにも恥ずかしい奴だったので、思い出したくはないが、あえて思い出そう。

確か、そう。私はこう言った。

「何故、この使用人はこうも気安く話しかけてくるんですか? 彼女は、恐れ入りますが。のひとこともいえないんですか?」

実家では、使用人すらも私の扱いに困っていた。気持ちが悪くなるくらい、丁寧に話しかけられる。それが当たり前だった。

まあ、そんなことは関係なく、ただ彼女を貶したかっただけなのだが。

「おい、千紗子。そりゃねーだろ」

「戦人くん。私とあなたが結婚するということは、先程金蔵さまにも許可を頂きましたし、もう決定事項です。つまり、私はもはや右代宮の一員に他ならないということです。ならば、私がこの使用人に注意をすることは、当然の権利ではありませんか?」

「あの、えっと、申し訳ござ……」

「紗音ちゃん。謝らなくて大丈夫だ。紗音ちゃんは俺に話しかけた。つまり、お前に失礼なことなんて何もしてないはずだ」

「良いんです、戦人様。私が悪いんです」

完全に。少女漫画のヒロインをいじめる悪役のポジションになったことは、お馬鹿だった私でもわかった。

私はため息をつき、そうね。と話を終わらせる方向に進めることにした。

「私は戦人くんの婚約者なので、未来の夫に対しての無礼に、少し気が立ってしまいました。ごめんなさいね。えーと、お名前は?」

「紗音と申します」

婚約者。その言葉に、彼女は一瞬だけショックを受けたような顔をした。

それがとても気に入らなかったのを今でも覚えている。






そして、次の親族会議の日。事件は起こった。朱志香や譲治達と共に、ゲストハウスで過ごしていたときのこと。

朱志香が、急に、六軒島に住む魔女の話を始めたのである。

そこには紗音もいたので、露骨に怖がる事が出来なかった私は、強がりながらも、内心はとてもビビっていた。

そして、口に出して、"魔女なんているわけありません。そんなものがいるなら、寧ろお目にかかりたいくらいです"と言った私に。

ベアトリーチェ様は、自分を信じないものには、とても残酷なんですよ。という紗音の言葉もあり。

ありがちだが、私は夜トイレに行けなくなってしまったのだった。

だがしかし。あれだけ強がった手前、誰かを起こして連れて行けるわけもなく。

限界が近づいたところで、私は"大丈夫、大丈夫"と自分に言い聞かせながら部屋を出た。

暗闇の中、外で音がするたびにびくびくして、トイレまでの道のりが酷く長く、遠く思えた。

そんな時だった。真後ろから、ガシャン。と窓が開く音がした。

振り向くよりも先に、腰が抜けて動けなくなってしまった私は、これも、あまり思い出したくはないが、失禁してしまったのだった。小学生。それも低学年とは決していえない年頃で、お漏らしである。

私は慌てた。魔女が来ているかもしれない。という焦りと、誰かにこのことがバレたら。特に戦人にばれてしまったらどうしよう。という気持ちで頭がいっぱいになり、キャパオーバーしそうになったときに。

戦人以上に、このことを知られたくなかった人物の声が聴こえたのだった。

「あの、大丈夫ですか?」

「しゃ、紗音さん……!?」

こっ、来ないで! と咄嗟に言ったものの、彼女は、いえ、でも。と私に近づいてきた。

「あ、もしかして……」

近づいてきて、私の状態に気がついた彼女は、そう呟くと、何を思ったのか、すぐにどこかへ行ってしまった。

そうなってしまうと途端に心細くなる。というか、もしかして彼女は、誰かに告げ口をしに行ったんだろうか。などと、色々考えている間に、紗音は戻ってきた。バケツや、雑巾などを持ち、熊沢さんを連れて。そして、

「私が後片付けをしておきますから」

と、私を熊沢さんに任せ、彼女はテキパキと掃除を始めた。

私なら他人のそんなもの、片付けたくはない。いいよ。自分でやるから。と、私が声を掛ければ、千紗子様は早く着替えてきてください。これは私の仕事です。と、やんわり断られてしまった。

そして、着替えが終わった後。私は紗音の元へと足を運んだ。

口止めの為、という建前で、お礼をいう為だった。

その日のうちでも、私は何度も紗音を貶めるようなことを言ったし、まあ、その度にかばう戦人がムカついたから。という悪循環によってだったのだが。とにかく、それも含めて謝らなければならない。という気持ちもあった。

「あの、紗音、さん?」

片付けを終え、バケツなどを片付けている彼女に声を掛ければ、彼女は、嫌な顔一つせず、いかがなさいましたか?と、返事をしてくれた。

そして、"あ。"と、何かに気付いた顔をすると、誰にも言いませんよ? と、そう言った。

「熊沢さんには、私一人ではどうしようもなかったので、お伝えすることになってしまいましたけど。それ以外では言う必要がありませんから」

「いや、あの」

「あ、違いましたか?」

「そ、そうなんだけど。それだけじゃなくて」

そんな私の態度に、紗音はクスリと笑う。

「……なんで笑うの。バカにしてるの?」

「いえ、お気に障ったのでしたら申し訳ございません。ただ、いつも千紗子様は変に気を張って、気構えてらっしゃったので、いつもそうやって話して頂けたらいいのに、と思いまして」

「なっ! なんであんたにそんなこと言われなきゃならないのよ!」

「余計なお世話でしたら申し訳ございません。私は、千紗子様には怒られてばかりですね」

「えっ、いや、別にこれは怒ったわけじゃ……もう、なによそれ。折角謝りに来たのに」

「謝りに……?」

「あっ、いやっ、その。なんていうか、悪かったと思ってるの。酷いことばかり言って。福音の家の子は捨て子だから大変だろう。とか。最低なこと言ったと思うわ。捨て子なんて、私の方が立派な捨て子なのにね」

うっかり言ってしまった言葉。驚いた顔をした紗音に、何故か私は、戦人の家に住むようになってから、ずっとしていた緊張が緩んでしまったからか、色々なことを続けて吐き出してしまった。

私は、本当の家族なんていない。だとか。私はいらない子。だとか。自分で言って大泣きした。紗音は困りながらも、それをずっときいていてくれた。

「千紗子様はいらない子なんかじゃありませんよ。今は戦人様だって、留弗夫様だって、明日夢様だっていらっしゃるじゃないですか」

「戦人だって、私との結婚なんて本当は嫌なのよ! クラスでもモテるし! ここでも、使用人さん達に好かれてる! 私なんかいなければよかったの!」

「そんなことないです!」

急に声を荒げた紗音にびっくりして、我に返り、彼女の顔をみれば、急に抱きしめられた。

「そんなこと、ないんです。戦人様は、得意げに千紗子様のお話をされますもの」

「紗音……?」

「私に、譲治様に、朱志香お嬢様にも、千紗子様が、いつもテストで満点を取られることや、男の子にも負けないくらい喧嘩がお強いこと、それなのに足がとても遅いこと。今日だけでも色々話していらっしゃいます」

「ちょっと……最後のは悪口じゃない?」

「それでも。です。戦人様が本当に嫌がってたら、どのお話も、私達が知ることはなかったと思います」

「紗音……」

「私は、それがとても」

私から言わせてもらえば。多分紗音にそんな話をするのは、彼女にヤキモチをやいてほしいからだ。

譲治や、朱志香にそんな話をするのは、聞かれたからに違いない。

でも、確かに。戦人は、嫌いな人の話は聞かれたってしないだろう。

ただ、それは、戦人が私を好きだから、話すわけではないだろうけれど。

「それが……とても……」

「えー、あー、紗音さん。あのね」

「は、はい」

彼女から離れてゆっくり顔を見てみれば、泣き喚いてた私よりずっと悲しそうな顔をしていた。少なくとも、彼女の大きな瞳に映った私は、そんなに悲しそうには見えなかったのだ。

そこで私は気がついた。私はお祖母様も、お父様も、別に好きなんかじゃなかったんだと。お母様は好きだったけれど。正直な話、戦人のことだって、好きなわけではなかった。

よくよく考えてもみてみれば、泣くほど本気で、嫌われるのが嫌だったわけではない。

「私。成人するまでにどうにか戦人くんとの結婚を辞められないか、考えてみるから」

「え、あ、はい」

「大丈夫だから」

何がどう、大丈夫かも言わずに。私はただそう言った。

そして次の日、今まで、自分から紗音に挨拶なんて全くしていなかった私が普通に彼女に挨拶をしているのを見た戦人が、不思議そうな顔をしていたので、色々あったの。とだけ言うと、なんかわかんねーけど、肩の力抜けたみたいだな。と彼は笑ってくれた。

それから機を見て、戦人にだけは、結婚するつもりはない、恋だろうがなんだろうが、全部好きにしてくれていい。と伝えた。

そして、数年後明日夢さんが亡くなり、彼が家を出てしまい。半ば強制的に私達の婚約は、意図しない形で解消されたのだった。





「とまあ、そんな話もベアトリーチェ様はご存知なのでしょうね?」

「当然だ。知らぬわけがない。寧ろ、何故、そんな昔話を妾にするのかがわからぬわ」

「それでいいんです。ベアトリーチェ。ここまでは、あなたが私にしてくれたことのお話です。単純に、あなたが私を怯えさせてくれたおかげで、私は紗音と仲良くなれた。それだけの話をしたかっただけなんですよ」

ならば、続きはなんの話かと言えば、私の懺悔のお話だ。そして、本題である。

戦人からの連絡はなかったが、紗音はあれからずっと戦人を待っていた。

何故私がそんなことを知っているかと言えば、婚約を破棄された私が、自ら実家を出て、新島にある親戚のうちに移り住むことになったからだ。もちろん。それにも一悶着あったわけだが、好きでもない連中に気を使うのはやめていたので、特に面倒でもなかった。私には、それよりも紗音のそばにいることが重要だったのである。

というわけで、私は中学は私立に行ったが、高校は朱志香と同じ学校にし、彼女と遊ぶという建前の元、私はしょっちゅう六軒島へ遊びに行き、紗音とも会っていた。

戦人がどうしているか。なんて話は風の噂程度には知っていたが、紗音に話すことはなかった。"私はあなたと違って、こんなことも知っているのよ"と、そう取られてもおかしくないくらい、紗音は戦人に対して、すごく神経質になっていそうだったからだ。

ただ、戦人がいなくても彼女に笑顔でいて欲しかった。

そして、彼女の本当の笑顔は見れないまま、三年が過ぎた。そして、私はまんまと紗音を譲治に取られたわけである。

でも、紗音が幸せならよかった。その裏で、彼女が苦しんでいるなんてこと、私は全く気がつかず、そんなことを呑気に思っていた。

海が青く見える。彼女が私にそう話した時。あの時、きっと彼女はもう、何かを抱えていたんだと思う。

それより前に。嘉音という名の使用人が現れた頃だって、彼女はどこかおかしかったのだ。

気付けた筈だった。それより前に、私は恋を自覚していたのだから。彼女が、どうして戦人は帰ってこないのだと。一人泣いていた姿を見たときから。

どうして私じゃダメなんだと思ったときから。私は彼女を愛していたのに。

いや。本当は気が付いていた。彼女が犯行に及ぶことを私は知っていた。

ずっと読まないで。と彼女から渡された手紙があった。あの親族会議の前に渡されていて。私は馬鹿正直に読まなかった。でも、勘付いてはいた。彼女が何かをするつもりだということくらい。

殴ってしまいそうだったから、戦人に会いたくなかった。そして、もう私に出席する権利はないから。と、あの日は六軒島に行かなかった。でも、もし行っていたら、彼女は助かっていたかもしれない。

それもきっと賭けだったのだ。偽書を含めたメッセージボトルに私が登場するものはなかったはずだ。これは私の予測でしかないが、そんなものがあれば、私が今まで平穏無事でいられたわけがないからである。つまり、私が来たら、彼女の計画は未遂に終わっていた。でも私は行かなかった。

そして爆発事故の数年後、大学を卒業したと同時に私はとうとう家と縁を切り、こっそりと溜め込んでいたお金を使い切るまで、紗音の影を追うように、事件について調べることにした。

納得できたら、死のう。と。納得できたら彼女からの手紙をようやく読もう。と。

つまり、あの手紙には、未だに手をつけられないままだった。

そして昨日。伊藤幾九郎の……いや、八城十八のところで話を聞き終わった後。

やはりそういうことか。と。思った。

絵羽のところにはどうしても行きにくさがあり、躊躇っていたのだが、彼と話すことで、そこについては自分の判断が間違っていなかったことを確認できた。

私の存在は、縁寿ちゃんにも良くないだろう。そう思えた。

そして、六軒島の見えるここで。私の足でいける、彼女の一番近くで私は手紙を開いたわけだ。

八城十八から渡された、偽書と共に。

黄金の魔女・ベアトリーチェに会うために。

「……つまりお前は、わざわざ、妾に会うためだけに」

「そう。あなたに会うためだけに。私は」

遠回りをした。ただ読むだけで理解できないかも知れない。そう思って、ひたすら遠回りした。

でも、結局、意味がなかったのだ。そんなことは。

「ねえ、ベアトリーチェ。ただ私は聞きたかったの。あなた少しでも幸せだった?って」

「お前はどう思う? 妾は幸せだったと思うか?」

「きっと幸せだったから、黄金郷に行けたんじゃないかと、私は思うんですよ。つまり私はまだ、このままじゃ黄金郷には行けないってことだ」

紗音は、きっと。あの手紙に。私に生きろという気持ちを込めてくれていたんじゃないかと思う。

自分は自分勝手に死んだ癖に。どうして。

そう思ってしまう私は、どうしたってまだ幸せではなくて。魔法なんて使えなくて。

それならまだ。そこへ至る権利は私にはないのだ。

「ごめんね、私あなたより幸せになるわ」

「ふん。なれるものならなってみるがよい」

「さよなら、ベアトリーチェ。黄金郷で紗音に、未だに言ってなかった、ありがとうとごめんなさいを伝えておいてくれる?」

そう言って、偽書と手紙を海に破り捨てれば、ベアトリーチェという幻想は波にさらわれ消えて行く。

それを暫く見つめた後、さてと。と砂浜で伸びをすれば、遠くから私を呼ぶ声が聞こえた。

「やっぱ平尾じゃねーか。久しぶりだな。高校卒業以来じゃねーか?」

「ああ、あんた。貧乏なのにまだ生きてたのね」

「その言い方酷くねーか? つーか、お前こそ。遠くから見てたら死にそうに見えたけどな」

「死のうとしてたからね。でももうやめたの」

「は?」

彼女がくれた白紙の手紙は、多くのことを私に語ってくれた。

「ああ、そうだ。あんたまだこの近所に住んでるのよね?」

「ああ、まあ」

「結婚した? 彼女はいるかしら?」

「してねーしいねーよ。余計なお世話だ」

「そんなら丁度いい。泊めてくれない? 今、ちょっと、住所不定無職でね」

彼女が生きろと言うなら、生きよう。私はただ、そう思った。

「ここからどうにかして生き延びなきゃならないから。ちょっと手を貸してくれる?」




2015/09/7
ベアトリーチェと紗音への愛を拗らせたらこうなりました。後にも先にもうみねこなんて書かないと思います。ただこれだけが書きたかったのです。

とりあえず赤で宣言するなら、"彼女と紗音の中を深めたのは、確かにベアトリーチェである"そして"ベアトリーチェとは紗音である"あたりをしておこうかな。と。

つまり、紗音は彼女を怖がらせる為に、わざとベアトリーチェの話をしています。自分を信じない者には残酷。とか。そして、窓を開けたのも紗音です。ちょっと怖がらせるためだけだったのに、あんなことになって、紗音も申し訳なかったわけですね。

本当は他にも、ヒロインさんのお母さんの浮気相手が留弗夫だとか、色々考えてましたが、それ流石に右代宮は身内好きになりすぎだろ……ということで、無しになりました。ヒロイン→紗音やっちゃうと、また血縁になっちゃってかわいそうだからね。

あとお蔵入りした設定としては、ヒロインが嘉音くんにときめいて、私には紗音がいるから!とかって一人で動揺するあたりとかですね。お前の好きな人変わってないから安心しろと言ってやりたい。

他にも、ヒロインのお母さんは、まさに籠の中の鳥状態だった為、最後の反抗のために浮気した。とか。ヒロインには、妹と弟がいて、二人はちゃんと父親と血が繋がっている。とか。色々やりたいネタはあった。

ただ、それいれると短編にはできなかった。それだと話自体書かなくなる可能性があったので、省いて書くことにしました。

本当なら戦人と一緒に小学校通い始めた時に、戦人と一緒に良すぎて女子から嫌われるヒロインとか書きたかったんですけどねー。

後書きが思ったより長くなってしまいました。もしも、私がサイトの雰囲気も考えず書いたこの話を読んでくれている優しい方がいらっしゃったら、ありがとうございます。
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