台本のある生活


「……えーと、団長お帰りなさい」

「ただいま。ほら、行く前に俺が渡した台本はどうしたんだい?」

「っと……ご飯にします? お風呂にします? それとも……」

「それともなんだい?」

ふざけてんのかうちの団長は。だってさ、それとも私? って……団長に台本に書いてあるとはいえそんなこと言ったら美味しく頂かれちゃうに決まってるじゃない。

なになに? 台本の続きは……自主規制します。そうですよね。そうなりますよね。マジないわ。ホントないわ。うん台本にはアドリブがつきものだしね!アドリブアドリブ!

「それとも……なんだい?」

「それとも、阿伏兎にします?」

「ああじゃあ阿伏兎に……ん?」

「え、マジですか。阿伏兎にしちゃうんですか」

あ。団長怒ってる。そして後ろでは阿伏兎さんが怒っている気がする。やばいヤバイヤバイ。

「俺を巻き込むな阿呆!」

「だって、」

「阿伏兎にするって何をだい?阿伏兎を殺すってことかい?」

「ああ、多分そんな感じかと」

「待て待て待て!」

「わかった。その後あんたもしっかり昇天させてやるから覚悟してなよ。あ、もちろん阿伏兎とは別の意味でだけど」

「遠慮しときます」

「俺も遠慮させてくれ団長」

「もちろん両方却下」

あはは! 阿伏兎さんってば顔面蒼白! 多分私もだけど! だって、団長、あなた別の意味でだけどとか言っといて、普通に同じ意味で昇天させてくれそうで怖いんですよ。もちろん別の意味での昇天も嫌ですけどね。意味のわからないよい子のみんなは、お母さんに聞いてみちゃダメだぞ!

「あああ、阿伏兎さん! 団長をどうにかしてください……!」

「お前のせいだろ、お前がなんとかしろ! つーかそれはこっちのセリフだからな。」

「二人とも随分仲が良さそうだね。焼いちゃうよ。俺」

「団長! とりあえず落ち着いて! 字が違うから!妬こうよそこは!」

「俺の傘が火をふいちゃうぞ」

「嫌アアアアア!」

「じゃあ俺のマグナムが……以下略」

「嫌アアアアア!」

ぶっちゃけ悪いのは団長な気もするけど、とりあえず団長の前でつまらない冗談は言わないようにしようと私は固く誓ったのでした。

ちなみにマグナムの意味がわからないよい子はお父さんに聞いちゃダメだぞ。




2013/02/02
2009/12/19にアップしたらしいものを再録です。懐かしすぎて笑えます。
×
第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
- ナノ -