グレイ・コードがもしなかったら
元々、ハッカーとはコンピューターの技術に長けた技術者の事を言う。
技術向上を目的としてシステムをアタックする者であり、かつてはコンピュータやネットワークに精通した人への尊称だった。原義は、手斧1本でログハウスを作る技能者の意味がある。現在、一般的にハッカーと呼ばれる悪意をもったハッカー達は本来はクラッカーというのだ。コンピュータに精通した人への尊称であるハッカーが、報道等によりクラッカー等と同義に扱われるのはおかしい、という論理における論争から、クラッカーという言葉が注目を浴びたこともあるが、クラッカーもハッカーである事には変わらず、一般に認知されるハッカーがクラッカーの意味合いになっている以上、無碍に否定する必要もないというのが一般見解である。


結局、破壊行為を目的としてシステムをアタックする者、破壊を目的にコンピュータシステムに侵入し、破壊行為を行う者の総称もハッカーとなった。



しかし、ハッカーという単語が定着し、誰もがクラッカーをハッカーと呼ぶようになったため、悪意のない技術者をGEEKと呼んだりするようになった。ハッカーに限らずGEEKなど、本来のハッカー全体の技術者にもレベル別に呼称がある。レベル別に一般的なハッカーのレベルを並べてみるとグル>デミゴッド>ウィザード>ニュービー>ラマー>スクリプトキディ>ワナビーといった感じだ。

ワナビーは、ハッカーにあこがれている人、実際に何もできないけど知ったかぶりしてる人。日本語で言う厨房のようなものだ。


スクリプトキディは人が作ったツールなどを使い攻撃をする人。ネットゲームなどでいうミジンコと似たようなものだ。


ラマーは荒しを目的とした攻撃を行う人。


ここまでが自称ハッカー、いわばハッカーもどきだ。


一般に認められるハッカーは、ニュービーという一般的な駆け出しハッカー。ウィザードというかなり高度な技術を持つハッカー。ハッキングツールなどを自分で作成できる者。
デミゴッドというハッカーの中でも最高位。とてつもないレベルの者。
グルは神レベル。Linuxカーネルの開発者であるリーナス氏などがグルと呼ばれている。



厳密に資格みたいにこれ以上できればこのレベルと決まっているわけではないので結構アバウトである。また解釈によっては、ハッカーもランクの一つとする場合などもあり、ここに書いた事が正しいとも限らない。


ハッカーにも悪意のあるなしで二つある。悪意のあるハッカーはブラックハット、悪意のないハッカーはホワイトハットとよばれる。前者は当然攻撃目的のハッカー、後者はセキュリティ目的のハッカー。




本当に高度な技術というのはほしがって手に入る物ではない。レベルが高くなればなるほどそれだけ資料も少なくなる。それでも上に這い上がるのであれば自分で道を切り開かなければならない。ハッカーになりたいって最初から甘えてるようじゃ無理だ。自分でがんばってそれでもダなら人に聞くのもいい。でも「ハッカーになるにはどうすればいいの?」なんて聞いてる人は論外で、
まずは自分でできる限りの努力をしてくること。人に聞くというのは最終手段である。


すぐれた技術者をあらわすハッカーに対して、いずれハッカーになろうと勉強をしているのがニュービー。それに対して、なりたいと思うだけで勉強をしていない自称ハッカーのことをワナビーと呼んでいる。ワナビーはWannabe、なりたい、という意味があることからそう呼ばれているのだ。

lonelybraveあらため bravemaxの側にいるwannabeの由来はきっとこんなところだろうか。自己紹介欄に、目標はplaymakerとあるのだから。


「さしずめ、playmakerみたいなハッカーになりたい、ってところか?」

「島よりはハッカーに対する知識があるから、ニュービーでもいい気がするが、勉強はしてないんだろうな」

「よーし、出た出た。島の友達、うん、遊作、お前のクラスメイトみたいだ」


和波誠也、15歳。デンシティハイスクール1年生。遊作と同じクラスのようだ。


「そういえばいつも島と一緒にいるっけ」


顔写真とプロフィールを見て、遊作はようやく思い出すのだ。


「……島のやつ、あとで和波を誘ったな」

「遊作煽ってたもんな」

「違う、俺はやめとけって言った」

「でも怒ってたじゃん」

「……」


遊作はため息をついた。

何者かが遊作のデッキから《サイバース・ウィザード》のデータを抜き取り、島のデュエルディスクに送付。そしてplaymakerからの贈り物だと勘違いした島は和波に自慢して、その場の勢いでリンクヴレインズにログインしたらしい。ご丁寧にplaymaker狩りが行われているど真ん中へ、ご案内。どうやらここまでお膳立てされたリンクヴレインズデビューというわけだ。


「遊作、《サイバース・ウィザード》のカードは他にあるか?」

「ない、あれだけだ」

「なら、返してもらうしかないな」

「ああ」


モニタの向こうでは bravemaxがハノイの騎士に見事勝利を収めている。


「どうする?」

「もしさっきのデュエルをハノイの奴らが見てたら、島と和波が危ない。急がないと」

「あ、ログアウトしちまったぞ」

「あ」


さて困ったことになったぞ、遊作と草薙は頭をかかえた。


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bkm
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