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「たいちゃん!」 「! だから、その呼び方やめろって言ってるだろ」 「えー いいじゃん別に、減るもんじゃないし」 「お前にとっては減らないかもしれないが 俺にとっては確実に何か減るから!」
ある日の放課後、部室に向かっていたなまえに対して、本気で拒絶の意を表しているたいちゃん―――――もとい三国太一は、なまえより一つ歳上な幼馴染みである。
小さい頃からどこか暖かい、母性のようなものを持っていて、なまえの第二の母親みたいな感じだった。
小さい頃からの名残で、なまえはいまだにたいちゃんと呼び続けているのだけど、どうやら思春期故に、三国は恥ずかしいらしい。
「でも今更三国先輩とか言いにくいし…」 「慣れろ」 「なんか最近、たいちゃんわたしに対して厳しいよね?!」 「だからなあ!」
真っ赤な顔で否定を主張する三国は、歳上のはずなのに、なまえには何処か可愛く見えて。
なんだか面白くて、なまえは小さい頃と同じように、三国の頭のもじゃもじゃに触れると、三国は諦めたのか、溜息を吐きながらも撫でさせてくれた。
「お前はかわらないな」 「??」
もじゃもじゃー〜
なまえはおそらく頬をだらしなく垂らしながら、三国の頭を撫でていると、後ろから駆け寄ってくる足音が聞こえた。
「あ、みょうじさん? なに、してるんですか?」 「三国、先輩??」
「うわあ?!天馬に西園?! ち、違う!これはだな…!」 「あはは、たいちゃん真っ赤ー」 「こら馬鹿なまえ! お前のせいだ!」
顔を真っ赤に染め上げたたいちゃんに言われても、説得力ない。
そう、なまえが答えると、どうやら余計に怒らせてしまったようで。
なまえの頭に容赦なく鉄槌が落とされた。
痛いよ、たいちゃん。
SUCCESS!
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