成代 | ナノ









※音無成り代わり3・女主





「お、また一人で無理してる」
「え…?
あ、す、すみませんキャプテン!!」



大丈夫だから、返してくださいと主張するなまえだったが、目的地は一緒だからと言い返されれば、何も言えなかった。

わたしはマネージャーで、選手を労るべき存在なのに。

選手に労ってもらってどうするの。



「それは、何に対する『すみません』なんだ?」
「え?
………キャプテンに持って貰っちゃってること、ですけど…?」



部員一人一人のデータファイルを入れた箱ごと円堂に奪われたなまえは、疑問符を付けて答えた。

それに、円堂は分かりやすく溜息をついた。

な、なんで。



「違うって
前言ったよな?一人で無理すんなって」
「………ありがとうございます」
「そうそう!それならいいぜ!」



ゴールキーパー故に、筋肉で盛り上がった腕で、軽々と箱を運んでいくキャプテンは、やっぱりキャプテンで。

すごく頼れる存在だった。

わたし、マネージャーなんだけどなあ。

今なら選手の気持ちが分かる気がした。



「なんかさ、俺、今なら鬼道がなまえのこと心配する気持ちが分かる気がするよ」
「え?」



なまえ、一人で無理しすぎなんだって。



「そうなんですかね……秋さん達にもよく言われるんですけど」
「そうなんだって
ほら、こういう荷物くらい、俺たちに頼れよ
なまえは女の子なんだからさ、」



わたしは女の子。

小さい頃、過ごした孤児院では、男の子女の子なんて気にせずに過ごしていたし。

今だって、マネージャーだから力仕事もだって、普通にこなさなきゃいけないし。

うーん、わたし危なっかしく見えるのかなあ。

それに、無理してるつもりはないんだけど。



「はあ、じゃあ俺が近くにいるときは、俺が手伝うから」
「え?」
「全部口に出てたって」



恥ずかしいと顔を伏せたなまえに合わせて、少しだけ遅いテンポで歩く円堂は、珍しく真剣な顔付きをしていた。

あれ、いつもみたいに眩しく笑っているキャプテンじゃない。



「自分で分かってないんなら、俺が言うから」
「……はい、分かりました
じゃあお願い、します‥‥?」



なまえが控えめにそう口に出せば、円堂はたちまち普段通りの眩しい笑顔で頷いた。

似ていないはずなのに、キャプテンの笑顔が、優しげに微笑むお兄ちゃんに少しだけ重なった。










コスモキューブ

心配してくれる人がいるってことは、大切なことだと思うから。
素直に頼ることも、大切なのかなあって。

そう考えてしまうわたしは、図々しいかな?












特に指定は無かったことをいいことに
我が家の音無ちゃんで書いてしまいました。
そんな管理人が図々しいですね、はい。
キャプテンはさらっとレディファーストしてくれそうだし
それを知っているから、この音無ちゃんは「いい人」くらいにしか思ってないのかも。
久しぶりに書いたらよくわからない感じになっちゃったなんて、そんなバカな!

こんな低クオリティで本当にすみません!
お待たせしてしまいましたが、宜しければ貰ってやってください!

前サイトの3周年企画:瑞希さまのみフリーでした!

お題:alkalismさまより


12_02_22






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