成代 | ナノ









※マックス成り代わり・元女の男主





「おっ、あだ名!
来週の土曜暇か?」
「来週の?
……あー、バスケの試合が入ってるよ」
「まじか、残念だな」



「また今度、頼むよ!」と、去っていったのは、テニス部のエース。

確か、ダブルスのペアが怪我をしたって聞いた。

だから、僕に頼もうとしたみたいだけど、生憎僕にはバスケ部の助っ人の話が入ってるから。

表情はあまり変えずに、「ごめんねー」とだけ謝っておいた。

一応ね、一応。

だって、僕が悪いわけじゃないでしょ?

僕は“助っ人”であって、元々は怪我とか用事とかで試合に出れなくなる人が悪いんだから。



僕は周りから器用だって、小さい頃からよく言われてた。

大抵のスポーツは、ルールさえわかればなんとなく出来るし。

コツとかがあるわけじゃなくて、ただずっとなんとなくでやったら、いろいろ出来ちゃったから。

ずっと僕はこのスタイルで“助っ人”として、部活をしてきた。



一度は、正式に何処かの部活に入ろうとは思ったんだけど。

僕、飽き性なんだよね。

面白そうなものがあるから、その部を助けに行ってたりするからさ。

面白くないと、続かないんだ。

だから、本当はいつも中途半端なんだ。

“完璧”とか、“天才”とか言う人もいるけどさ、僕は僕だから。

好きにやって何が悪いの?

中途半端でもさ、僕は僕なりに頑張ってやってるんだからさ。

僕の“努力”をその一言で壊さないでよ。

“僕”だから、出来て当たり前みたいな扱いしないでよ。








今回は、退屈しなさそうだったから。

廃部寸前なのに、まったく諦めないあのキャプテンが面白そうだったから、サッカー部に入った。

始めは“助っ人”のつもりだったんだけどなあ。

初めてだったんだ。

やってて悔しいって思ったの。

あれ、今まで楽しくてスポーツやってたはずなのになあ。

それ以外の感情とか、抱いたことなかったんだ。

へぇ、サッカーって凄いなあ。



僕にしては珍しく、サッカー、続きそうだ。








「あ、あだ名」
「あ、中途半田だ」
「中途半田じゃねぇ!」
「だって君、いつも中途半端じゃん
THE・普通少年、半田真一!」
「………気にしてんだから触れて来んなよ」
「あれれ、もう泣いちゃうの?」
「泣いてねぇ!」



クラスこそは違うんだけど、一年の頃からサッカー部に入ってたらしい半田は、本当に弄りがいがある。

名前が左右対称で、テストの点数、成績はいつも平均。

ある意味凄いよね。

本人は「取り柄がない」とか言って、気にしてるみたいだけど。

こうも平均的な人間って滅多にいないと思うから、僕は大して気にすることじゃないと思うんだけどなぁ。



「で、どうしたのさ半端くん」
「お前なぁ…!!」
「あはは、ごめんごめん
………ほんとに何かあったんでしょ、半田」
「、……ホント、あだ名って鋭いよなぁ」



ただ昼休みに廊下で会っただけなんだけど、何だか半田の元気がないような気がして。

どうやら当たりだったらしい。

僕、やたらと敏感だからね。



「じ、実はさ……」
「あ、ストーップ!」
「え?」
「僕、当てるから」
「いや、流石にそれは無理だろ」
「…じゃあ当たったらジュース奢って」
「えぇー?!
ちょ、あだ名、俺が今金欠だって知ってるだろ?」
「相談料だと思えば安いんじゃない?
てかジュース一本だよ?
弁当奢れとか言ってるわけじゃないんだからさぁ」
「うぐ、」
「半田ぁー?」
「……、」
「まあいいや、僕絶対当てるから」
「だから嫌なんだよー!」



うーん、何かなあ。

最近テストがあったわけじゃないから、テストの点が…とかじゃないだろうし。

だとしたらなんだろう。

半田のことだし、新作のゲームの予約忘れたとか?

うーん、でもそれは先週当てたばっかりだし。

そうだなぁ、意外と女の子絡みとか?

あ、そういえば最近、平川とかいう子と半田仲いいもんなあ。



考えてるとき、空中に視線を漂わせていた。

ちら、と半田に視線を移してみると、半田はこっちを見ていたようで、ばっちり目が合った。

おもいっきりそらされると、傷つくんだけど。

うん? 半田の顔、なんか、赤くない?

もしかして、だけど…。



「…半田、」
「?! な、なんだよあだ名
あ、分かんないなら分かんないにしてくれよ!
俺の財布が……」
「半田」
「な、なんだよ」



好きだよ。



耳元で呟いてみると、見事に半田の顔が真っ赤になった。

あれれ、なんだこれ。



「な、あだ名…
俺、本当にそういう趣味ないから…!」
「何言ってんの半田
冗談に決まってるじゃんか」
「へ?
あ、え?…」
「ねえ、半田
何か変なこと吹き込まれたの?」
「……、」





いや、あだ名さあ
なんか女みたいだから、付き合ってんのかって言われて
それにあだ名はそっちの気があるとか、言われたんだ





「なに?誰がそんなこと言ったわけ?
ふざけないでよ、僕普通に女の子が好きだから」
「だ、だよな」
「ねぇ、半田さぁ
なんでそんなこと信じたわけ?」
「え?あ、……えーっと」
「半田も、僕が女みたいとか思ったわけ?
それか男好きとか思ったわけ?
え?しにたい?」















煌々し、君への道を


(だってあだ名、普通に女に見えるんだ)
(なんて言ったら、確実に殺される…!)











元女の子がマックスになった感じ
マックスって可愛い系だよね
普通に半田+松野でも良かったんだけど
うちのサイトは夢専門だから!
×はもちろん、+も…載せないようにしたい
てか、管理人はまだそっち系の方は読めないんです(;^ω^)

このマックスは、可愛いから
妬まれたりからかわれたりして、余計腹黒になっちゃった感じ
半田くんは、意識してればいい(笑)



お題:alkalismさまより


11_04_17






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