成代 | ナノ









※円堂成り代わり・女主





『みんな、集合ー!』



キラキラと眩しく輝く太陽に似た、オレンジ色のバンダナを纏った女性が、サッカーの練習をしていた生徒達に向かって声を上げた。大きな声だった。遠くで練習をしていた生徒にまで聞こえるかどうかは定かではなかったが、その心配は要らなかったようだった。



神童「……ぜ、全員集合、完了です‥!」



その場に居た生徒全員が、直ぐに集まったのだ。息が切れている生徒ばかりだが、「やる気があってよろしい!」と女性が声を掛けると、皆が皆揃って笑顔を浮かべた。それは、飼い主に褒められた飼い犬のよう。生徒達は褒めてほしい、構ってほしい一心で女性を見つめている。この女性は、人に懐かれやすい体質のようだ。



神童「円堂監督、それで、何か‥?」
『急で悪いんだけど、明日練習試合が入ったの』



その女性は円堂なまえという。そして円堂は、雷門中学サッカー部の監督を勤めている。つまり、今は雷門中学サッカー部が、練習をしている時である。円堂に話し掛けたのは、雷門中学サッカー部キャプテン・神童拓人。雷門中学サッカー部では一番と言えるほど、円堂に懐いている。



神童「練習試合、ですか?」
三国「何処とですか?」
『イナズマジャパンだよ』



「「ええっ?!!」」
「「イナズマジャパン?!」」










**********

当たり前だとでも言わんばかりに平然と答えた円堂は、翌日―――――



『はい、皆揃ったね
じゃあ各自準備して、30分後に改めてグラウンドに集合ね』
不動「いやいやいや、ちょっと待とうぜキャプテン?」
緑川「僕たちいきなり集められても、何のことだか全く分からないんだって!」
『え…?』
風丸「はあ……」
基山「相変わらず、なまえちゃんはなまえちゃんだね…
ま、そんなところが可愛いんだけど…!」
『…早く、みんな着替えて!』
基山「あれ?いつのまにスルースキルなんて身につけちゃったの?!」
鬼道「おい基山、早くしないか
円堂が困ってるだろう」
基山「!ごめんねなまえちゃん、
でも、俺たち鬼道くんにちょっと言いたいことあったんだ」
壁山「キャプテンと一緒に仕事してるなんて、聞いてないッス!」
虎丸「いろいろとズルいですよ!」
鬼道「そ、それは…」
緑川「おまけに妹まで一緒って…」
鬼道「……」
不動「はっ、
まあ、この反応を分かってやってたんだろーがよ?」
基山「後で時間いいよね?」
鬼道「…何も言えまい」



風丸「あ、そうだ
立向居、遅れてくるらしいんだけど
こっちのキーパーどうする?」
吹雪「そりゃあもちろんキャプテンが…!」
『……わたし、一応雷門の監督なんだけど』
天馬「そうですよ!
円堂監督は俺たち側です!」
倉間「おい一年、でしゃばんな!」
霧野「し、神童泣くなよ…」
神童「だ、だって…おおおれが言おうとしてたこと、天馬が……!」
狩屋「(出たぁあ…!
キャプテンの豆腐メンタル…)」
天馬「え?
す、すみませんキャプテン!
ここは主人公の特権かなあって、思って☆」
狩屋「(え、コイツもしや腹黒?!)」
基山「あ、マサキ!」
狩屋「…!」
基山「ちょ、ちょっとなんで逃げるのー?!」
緑川「ヒロトの日頃の行いの結果だと思うよ」
「「(ヒロト/さん、何やったんだ…?)」」
「「(狩屋、知り合いだったのか…?!)」」



吹雪「でもさ、こっちは監督とかいない訳だし…
なまえちゃんがこっちに来ても、構わないよね?」
浜野「ちゅーかさ、そっちこそ大人なんだから
円堂監督一人が居なくたって大丈夫っしょ?」
鬼道「待て浜野、お前の黒属性は認めてないぞ!」
速水「…そこですか」
倉間「あーもう、話進まねーし!」
神童「イナズマジャパンの皆さんは、俺たちにとって憧れではありますが
円堂監督のことは譲れません!」
霧野「おー、よく言ったぞ神童!」
不動「あ?
ガキが意気がってんじゃねえよ」
神童「…!」
『あー!不動がうちのキャプテン泣かしたー!』
霧野「し、神童の豆腐メンタル舐めんなよ?!」
不動「……ヘタレか」
天馬「何をいまさら!」
霧野「ちょっと天馬、一回黙ろうか!」
倉間「だから、余計話こんがらがらせんじゃねえ!」



『もう!
じゃあ立向居が来るまでは、わたしがイナズマジャパンのキーパーするから!
その間、鬼道、指示して!』
鬼道「……了解、」
神童「そ、そんな…」
信助「円堂監督…」
『(うるうる光線には負け、ないんだから…!)
異論は認めません!』
風丸「円堂、成長したな!」
吹雪「今までは僕とか虎丸くんとか立向居くんとかのお願いに弱かったのになあ……」
『朝から集まってるからさ、雷門のみんなには昼食のこととか指示してないわけ!
だから、早く終わらせないといけないの!分かった?』
基山「なまえちゃんが初めて先生みたいに見えたよ!」
神童「え、円堂監督を、ばかにするなぁ!」
倉間「だから神童は一回黙っとけ」
『それに、わたし待たせてる人いるからさ、早くしたいの!』
基山「待たせてる、人…?」
神童「そ、それってもしや…」
『さあ、早くサッカーやろうよ!』















**********

『イナズマジャパンと互角に戦ってる…!
すごい、みんなすごいよ!』
春奈「円堂さんが応援してるからですよ」
輝「…イナズマジャパンの皆さんは、円堂監督が雷門側に来てから
すこぶる調子悪いですもんね」
一乃「なあ、青山…もしかしたら」
青山「ああ、多分、
試合を終わらせたら円堂監督が帰っちゃうから、両方が延長戦まで持ち込もうとしてるんじゃないか、な」
葵「………両方、必死なんですね」
茜「シン様、かっこいい…!」
水鳥「通常運転なのは、お前だけみたいだな」



不動「くっそ、やりにくいな」
基山「下手に技仕掛けると、なまえちゃんが悲しそうな顔するもんね……」
立向居「なまえさんの旦那さん、誰だろう……」
吹雪「今いないから、案外豪炎寺くんとか…」
虎丸「豪炎寺さんだったら、俺、全力で妨害しますよ!」
飛鷹「でも、音無でさえ知らなかったから、案外フリーなんじゃ…」
壁山「……キャプテン可愛いから、絶対結婚してるッスよ‥」
風丸「くそ、出来るだけ延長戦に持ってくぞ!」
「「「おー!!」」」










彼女の魔法の言葉に魅せられて



『あー、お昼過ぎちゃったね
しょうがない、みんな一緒に来なよ!』
「「「え、」」」
『まあ、秋のことだから、いっぱい用意してくれてるだろうしさ』
「「まさかの木野/さん?!!」」
天馬「円堂監督、家来るんですか?!」
『うん、
今日は秋と会う約束だったからさ』

(木野秋最強説、ここに誕生)







お待たせしました優祈さま!
ギャグっぽく出来ればいいかなって思った結果、見事に撃沈しました(;´∀`)
すごく無理やりにしか「サッカーやろうぜ」を言わせられなくてすみません…
そして落ち、といえるのかは管理人ですら分からないですけど秋ちゃんにもっていってもらいました。
無しの指定だったんですよね、…リクエストに従えてないリクエストって、意味ないですよね('`)
本当にすみません!

やっぱり夢でもそうだけど、円堂って難しい…
あ、そうですよね、管理人の力不足です!

遅くなってしまいましたが、お気に召していただければ幸いです。
これからも、よろしくお願い致します!

前サイトの3周年企画:優祈さまのみフリーでした。




12_01_16






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