※椿成り代わり・女主
「お、相変わらず早いなあ椿」
「会長…?
お早い、ですね…?」
「俺だってたまには真面目に来るさ」
開盟学園生徒会執行部副会長・椿なまえは、その真面目な性格からか、会議にはいつも一番乗りでやってくる。
それだけではなく、仕事が終わるのも誰よりも早いし、見回りの回数も誰よりも多い。
しかし、真面目過ぎる性格は、人を信じやすい―――騙されやすいという、悪い点もある。
ほらまた、騙されてる。
椿の後からやってきた、生徒会執行部庶務・榛葉道流は、椿と安形の会話に突っ込んだ。
まったく手のかかる子なんだから、とでも言いたそうな顔である。
「嘘だね
どうせまた、生徒会室で寝てたんだろ?」
「おいこら道流、!」
「! またですか!!?」
会長、見直しました!とでも言い出しそうに、瞳を輝かせていた椿だったが、榛葉によって一瞬にして冷めた表情に変わった。
あーあ、可愛い顔してたのに残念。
男二人は心の中で意気投合していた。
まったく誰のせいだ。
あ、俺か。
安形の頭を榛葉が小突いた。
「もう!あれだけ生徒会室を昼寝に使わないで下さいと言ったじゃないですか!!」
「わりぃわりぃ、」
「ホントに分かってますか!!?」
「まあまあ椿ちゃん、そんなに怒らないで」
「し、しかし、一度や二度ではなく、もう何回も言ってきたことですよ…!」
「かっかっかっ
まあ椿は怒っても可愛いからなー」
せっかく落ち着いてきたのに、何能天気なこと言ってんだ、余計に椿ちゃん怒っちゃうじゃないか、榛葉は安形を睨み付けた。
しかし、なまえは顔を真っ赤に染め上げた。
あ、そうだ、この子純粋なんだった。
「な…!」
「おいおい、本当のことを言っただけだぞ?
道流、そんなに睨むなよ、こえぇこえぇ」
「な、なにを言ってるんですか会長ぉおお!!?」
「ほらな、かわいいかわいい」
目の前にいる椿を撫でた安形は、本当に嬉しそうに笑った。
反対に椿は、どんどん顔が赤くなっていく。
あ、湯気が見える。
「こら、椿ちゃんで遊ぶんじゃないよ」
「そうですわ、
会長ばかりなまえちゃんを独り占めして、ずるいですわ」
「一蹴」
「え?俺を?」
遅れてやってきた、生徒会執行部会計・丹生美森と、書記・浅雛菊乃の仲裁により、安形から引き離された椿は、少しずつ冷静さを取り戻していた。
う、からかわれていたのか…不覚。
この会長には、いつも振り回される。
「ぜ、全員揃いましたね
それでは定例会議を始めます」
「やっぱ、椿は真面目なのが一番だな」
「照れてるのも可愛いけど、こっちが保たないもんね」
「本当に、そうですわね」
「せ、静粛に!
珍しく真面目に話し始めたと思えば……関係ないことで時間を使わないで下さい!」
「HTM(ホントに 椿ちゃんは 真面目)」
「浅雛!!?」
「今のは褒めている」
「ほ、褒めていたとしても、今は関係ないことです!」
「ツンデレか」
「ツンデレだね」
「ツンデレですわ」
「ツンデレだな」
「もう、皆さん真剣にやってくださいよ!!」
天才にもどうしようも出来ないことがある
椿の人気だよ
俺だけが独り占めなんて、出来ねえみたいだわ
うだうだ(笑)
助団初は椿ちゃんでした。
ちなみにツンデレの流れは、上から安形、道流、ミモリン、デージーっす。
11_08_19
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