ナイト | ナノ



番外編2


※赤い騎士の番外編
高校に通い始めた夢主の日課



「なあファーストネーム、」

「なんだ綱吉」



―――――有人がいないんだけど。















周辺にいた生徒情報で突き止めた体育館裏に、有人はいた。

たくさんのオトモダチを連れて。

体育館裏なんて、なんてベタな。



まあ、いなくなったとはいえ、私達と同じ職種の奴らではないからなのか。

綱吉もあの時、さほど慌ていなかったし。



「おい、いい加減にしろよおぼっちゃまくん?」
「金持ちだからってさあ、調子のってんじゃねーよ」



身体を庇う為なのか、有人はおとなしく相手側に従っていて。

直ぐにでも助けには行けるのだけど、有人の性格上「自分で解決出来た」と怒るのが目に見えていた。



金持ちで頭脳明晰、文武両道。

しかも顔までいいだなんて。

私も私生活で出会っていたら、恨みたくもなるような相手だけど。

私はいつ蹴散らしてやるかと様子を伺っていると、



「今日はあの…なんだっけ、金髪の用心棒、いねえのか?
残念だなー?助けてくれるやつぁいねえんだよ」
「はっ、所詮おぼっちゃまは一人じゃ何も出来ねえんだからよ?」



―――――おとなしく従えば?



私が居ないからって、言いたい放題か。

確かに、学校内ではこういう妬みから有人を狙う奴から遠ざけることもしている。

だからと言ってなんだ。

その言い方は。

何か私のせいみたいなその言い方はなんだ。



元々沸点が低い私。

ああ、そろそろ限界が近い。



「そうだなあ、顔にしとくか?
その綺麗な顔汚させてくれれば、今日は勘弁してやるよ」



「ドブサイクが何言ってるんだ」



「な、何でお前が…!」










「なあファーストネーム」
「なんだ有人?
文句なら聞かないぞ、これでも我慢した方だからな」
「いや、さすがに」










「どうせテメェらの方が一人じゃ何も出来ないんだろう?
そりゃそうだ、こんなに大人数で仲良しこよししてるんだもんな、ああかわいそう
あのさ、いい機会だから言わせてもらうけど、テメェらが私のホモ説流してるのは知っているからな
生憎だが私は有人の正式な護衛だ
敬愛の気持ちは当然あるが、テメェらのいう同性愛的なモノは一切ない
逆にテメェらがそうなんじゃないのか?
現にこうやって、大人数で仲良ししてんだからなあ?
それに根も葉もない噂でしか人を苦しめられないだなんて、小さい人間だな
正々堂々殴りあいの喧嘩でもすればいいだろう?
ああ、そうか
仲良しの皆さんはヘタレだから仲良しなんだもんな
それに有人の顔に傷つけたって、テメェらのブサイクな顔は変わらないぞ?マジどんまい
ああ、そうだ
喧嘩なら私が受けて立つが…どうする?」



精神的ダメージで全員戦闘不能だなんて。



(あそこまで言うのは、こっちまで悲しくなってくる)
(弱いものが強いものに刃向かおうとするからだ
まさに負け犬の逃亡だな)
(いや、それは遠吠えだ)
(ああ、そうか
日本語は難しいな)
((あれだけズタズタに言っておいて…?!)) 

 
12_05_08 修正




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