59 部屋で半日程療養をとって ―――といっても、綱吉に邪魔されながら、だけど。 有人が帰ってくる前に、マスターに話しておこうと動き出すと 珍しくマスターは邸内に居た。 「…ああ、ファーストネームくんか」 「マスター、昨晩はご迷惑をお掛けしました」 「そんな、迷惑をかけたのは私の方だ 君には本当に感謝してるよ」 「……光栄です、」 嬉しくて頬が緩んでしまった私は、慌て目的を思い出して話題をふると、 マスターはもう知っていたようで、私を気遣ってくれた。 勉強で忙しくなるだろうから―――食事の用意はしなくていい、とか。 もっと自分の時間を―――大切にしてくれていい、とか。 「でも、」 「いいんだよ、 ファーストネームくんは十分よく働いてくれているんだから」 「……………は、い」 渋々だけど頷けば タイミングを計ったかのように、綱吉が現れて 二人して採寸をされた。 何が―――って、もちろん 制服の採寸である。 業者、家に呼んじゃったのかよ。 |