53 「本当はさあ、ファーストネームさんをボクの支配下に置こうと思ったんだけどさあ まあいいや、後で 先に、リュカちゃんもらっとこうかなあ」 「‥け、…!」 「うん?」 「ふざけるな!」 私は思わず取り乱してしまったが、もうなりふり構っていられない。 ヤツは相変わらずダークサイズを振り回し、ダークボムを放っていく。 にひひっと、楽しげに笑いながら。 ―――――まるでオモチャで遊んでいるように。 楽しげに、モノを壊していくのだ。 「お前は、綱吉がどんな気持ちでお前を助けたか覚えてないのか!」 「さーぁねん? そんな昔のこと、わすれちゃったなあ」 復讐者に囚われたマフィアは、普通人の交渉だけでは解放出来ない。 綱吉は、いくらボンゴレの地位や権力をふるってもでも無理なことを、 自分の評判が下がるにも関わらず、頭を下げてまでやったからトレイズは解放されたのだ。 いくら人を殺すマフィアでも、人並みの礼儀くらい心得ているべきだ。 それすら出来なくなったら、本当にヤツはヒトでなしになってしまう。 私はM1911A1とデザートイーグルを放つ際に、少し角度を変えたりして 空中を移動して、ダークボムを回避する。 リュカも、持ち前の俊敏さで、器用に避けている。 しかし、両手の銃から放つ弾丸が、そろそろきれるだろう。 ちょうどいい。 |