51 「次!」 「なに、スピードが上がっただと?! …嵐の炎に、晴の炎をコーティングしてるのか!」 霧の炎でコーティングした場合、仄かに幻覚作用があるため、敵が油断した隙に 晴の炎でコーティングした弾丸―――――つまり晴の性質・活性でスピードと共に威力が増した弾丸を打つ。 最強ともいえるコンボで攻めてくるトレイズは 不規則に他の属性の炎に変えて打ってくるため、本当にやりにくい。 どうやら、パターンからすると嵐、霧、晴、雷の属性を使えるようだ。 今は両者、どちらとも幻術を使っていないため 辺り周辺は、都会の中の住宅地が広がっている。 出来るだけモノを破壊しないように、私は肉弾戦を望んでいるのだけど。 見渡す限り、トレイズのダークサイズから放たれる弾丸によって 壊れているモノがたくさんあった。 ―――――ズカン、ズカンズカン! もう、どうせ壊れてしまうのだからしょうがないと、半ば諦めて 私はヤツに向かって三発、弾丸をうち、右手の霧のリングに炎を灯した。 「開匣! いくよ、リュカ」 霧 ――――― |