49 「ボ、ボクは…! 負け、るわけには‥いかないんだあああああ!」 「な?!」 私が作り出した幻覚で作られた大蛇に、巻き付かれ 苦しみもがいでいたトレイズは ―――――突如、爆発的に上昇した力によって 大蛇を破裂させた。 「ボクは!」 「ちょ、ちょっとお前…!」 ステップを踏むように、軽々と私の方へ移動しながら ヤツは何処からともなく取り出した匣に、霧の炎を灯したリングをはめ込んだ。 確か、あの匣は… 「ボクは!絶対、勝つんだ!」 「苦手な接近戦を、武器で対応しようってか」 「へへん それだけじゃあないんだよーだ!」 トレイズが取り出したのは、霧属性の大鎌だった。 ヤツが物凄い勢いで振りかぶった鎌から、霧の炎の塊が まるで弾丸のように放たれた。 これって、やっぱり… 「 でも、ダークサイズは嵐属性の匣じゃあ‥」 ヤツの匣―――――確か名前は、ダークサイズ。 巨大な鎌型匣兵器で、相手を切り裂いたり、死ぬ気の炎を放ったりして攻撃する。 嵐属性の武器兵器だ。 匣すべての属性を開けることが出来るのは、大空の属性のみ。 だから、ヤツのように嵐属性の匣を霧の炎で開けるなんてことが… 「あり得ないって」 決着は、まだまだ後のようだ。 |