48 「簡単なトリックだよねえ でも他の人は、なかなか解けなかったんだよね★ さっすがファーストネームさーんって言いたいところだけど」 トレイズはまた、にひひっと変な笑い方で笑う。 「ファーストネームさんにしては、時間かかったんじゃないの?」 「まあな、 当たり前過ぎて、気付かなかったんだ」 「…なんか、ちょっと嫌味に聞こえますけどお?」 元々、ヤツは少量の幻術の幕しか作っていなかった。 私は何枚も壊していくうちに、限りなく続いているものだと錯覚してしまったのである。 所々、有幻覚を混ぜてあったらしいから、余計に気が付かなかった。 やるなあ、お前。 「ボクのこと ちょっとは見なおした?」 「さあ、どうかな」 「うん? …あ、うあああ!」 ―――――刹那、トレイズの前に 赤い大蛇が現れ、トレイズの首を締めあげるように、キツく巻き付いていく。 「あはは、どうせ幻覚でしょお? 痛くも痒くもありませんよおだ! 同じ手には引っ掛からないよ!」 「それは、どうかな」 自分が作った幻覚の中で、相手に幻覚をかけられるって意味、分かってるか? ばあか。 「う、あああ!!!」 答えは 君の負け、ってことだよ。 |