42 ―――――お腹が空いたねえ マスターに有人を預け、屋敷の警戒レベルをMAXにまで引き上げる。 ボンゴレ本部に連絡し、応援を頼んだ。 こうなったら、綱吉に黙っているわけにはいかない。 パソコンがジャックされ、ボンゴレ内部の情報が漏れる危険性。 ソンニョファミリーが再び動きだしている危険性。 そして、鬼道財閥崩壊の危険性。 もう、私一人ではなんとか出来るような問題じゃないからだ。 トレイズの雇い主は有人狙いだったが、ボンゴレがバックに付いていることに気がつくと 出来るだけ自分の手を汚さずに、仕留めることを考えた。 その結果、都合良く私に恨みをもつトレイズを見つけた。 ヤツは前私と闘った時、幻術でも体術でも完敗し、よほど私を恨んでいたと綱吉の方から聞いている。 雇い主は最初は有人を仕留めるついでに、私をやろうとしていたみたいだ。 でも私は、ボンゴレ本部特別単独作業員だ。 そう簡単に、くたばるわけが―――――いや、くたばってたまるか。 だからこそ、わざわざ闘いの日を指定してきてまで、私を倒そうとしてきたんだろう。 ベルトにナイフを多めに、ベストにM1911A1とデザートイーグルを ベルトにリュカと追跡用の匣を。 準備万端で、屋敷から足を踏み出した。 深くボルサリーノを被り直し、ステップを踏んでいるかのように軽く、屋根から屋根へ飛び、移動する。 日が沈み、夜へと空が変わり始める頃の時間帯。 人影がちらちらと、住宅街の中で見える。 あ、そういえば夕飯まだだなあ。 ヤツが残したメッセージから、この辺りで食物屋といえば、商店街しかない。 円堂青年達ご用達のラーメン屋・雷雷軒の前でスピードを落とし、暗闇で目を懲らす。 くそ、見にくいな。 刹那、――――― シュッ 「試合開始、――――― It's a show time!ってか」 頬の直ぐ傍を、まるで合図とでもいうように一本のアローナイフが掠めた。 |