2 「鬼道、有人…か」 鬼道財閥という超お金持ちの息子。 文武両道、全てにおいて完璧な少年らしい。 羨ましいな、完璧人間。 あー、高校生なら青年か。 一人若干百面相しながら、サッカー部が練習をしているグラウンドへ向かうと 気配があった。 もちろん、敵のだよ。 茂みから二人。 一人は357マグナム。 私も何度か使ったことのあるものだ。 リボルバーにしては撃ちやすく、最初は私もおなじみのマグナムのキックで手が痛かったが数発撃ったらグリップ、リコイルの逃がし方がうまくいくようになったから快感に。 使い込んでいるとしても、経験は浅いほうだろう。 もう一人はきっと素手で戦うのだろう、こちらが上司だろうか。 遠距離から狙うようの銃ではないから、徐々に近寄ってきていて、狙いを定めてる。 「やばい、な…」 まだ青年には会ってない、きっと敵には気すらついてないだろう。 護衛がいるような金持ちだ。 自分で避けるなんて出来ないだろうし。 さ、始めの仕事だ。 「…すまない、」 サッカーの紅白戦の途中のようだけど。 いくよ、愛銃。 M1911A1を左手で構え、校舎の影から茂みに狙いを定める。 でもハンドガンじゃあ、距離が足りない。 「…しょうがない 出来れば遠くで済ませたかったんだが」 遠くから狙えば、少しは音も抑えられる。 少しは周りも気にしないと、だからな。 でも仕方ない、応援をしていたマネージャーからボールを拝借し、茂みへシュートする。 もちろん空中シュートだ、銃無しのほうへは愛銃ではなく音の少ない麻酔銃で、狙いを定める。 さっきよりは距離が短いし。 走りだした分だけ、距離とジャンプで勢いがある。 ―――――ズカンッ、― ガチャンと音をたてて銃は落ち、ドサッと倒れる一人、力の入れすぎたボールは何故か若干炎を纏いながら当たり、もう一人。 ふぅ、仕留めたか。 |