36 ―――――、 「ッ……!」 有人は教室で授業を受けている頃、私は遠隔操作で刺客を倒している。 教室の後ろ、目立たないように手を隠しながらリングに炎を灯す。 リュカは出すだけで目立つため、今回は雲属性の匣兵器で倒している。 この匣兵器は死ぬ気の炎を探知して、自動で追跡をする。 場合によっては、姿形を変形させたり、雲属性の特徴である増殖をしたりする。 まあとにかく、優秀な武器なのだ。 耳に付ける小型の無線機をつけ、ゴーグルタイプのディスプレイ付きを装着する。 簡単に言えば、パソコンや大型通信機を使う作業を、一人で出来るわけだ。 音楽プレイヤー型の無線機は、ディスプレイが誰かに見られる可能性があるため、今回は使わない。 今は、緊急の調べモノをしているのだから。 通信機で敵の位置を確認しながら遠隔操作をし、ディスプレイは横のボタンを操作しながら藍色について情報収集をする。 我ながら、滑稽な姿をしていると思う。 まあしょうがない、仕事をしているんだから。 「きりーつ、れい」 やる気のない日直の声が響く。 そうか、授業が終わったんだな。 リングに炎を灯したまま、ゴーグルは外し、首にかける。 通信機は付けたまま、一応髪で隠す。 「やっぱりお前、何か隠してるだろう」 「………明日になったら教えてやる」 刺客が律儀に約束を守るとは思えないが、信じるしかないだろう。 |