32 明後日、と言っていたが、メンテナンスや最後の情報収集やらで結局夜が明けた。 つまり、決着は明晩。 リュカに見張りをさせるとしても、炎が切れればリュカも用なしとなってしまう。 一日中リングに炎を灯して、調べモノもしていたからか、疲れは余計に募る。 私に個人的な恨みがあるのかしらないが、ヤツの行動は不可解だった。 最初は有人が狙いのようだったのに、私を見てからは有人にまったく無関心のような素振り。 情報屋という情報屋に片っ端から連絡をとるも、あれほどの目立つ外見をしていたのに、ヤツの情報はまったく出てこなかった。 かつての私と同じように、一匹狼なんだろうか。 なんにせよ、あれほどの殺気をもつヤツが素人のはずはないし、情報をもらす事無く動いているのだから、よっぽどの腕前だろう。 私は机の上に使い古した愛銃を置き、ここに来て直ぐ綱吉に送ってもらった新しい愛銃を隣に並べた。 同じ型なのだから、使いにくい等ということはない。 それでも、使い込んだ古い愛銃には、特訓、実践、私と共に乗り越えてきた様々な跡が残っている。 古くなって、弾詰まりの可能性が高い今の愛銃よりも、新しいものに慣れておいたほうがいいかもしれない。 新しいものにそろそろかえようか。 そう思い取り出したのに、愛着と執念が邪魔をする。 嗚呼、いざ決心するのは難しい。 明日は、どうしようか。 |