23 「なぁ、ファーストネーム」 昼休憩、どうやらサッカー部は屋上に集まる習慣があるらしい。 もちろん、それに有人も含まれる。 「…なんだ」 「食べ終わったら、サッカーやろうぜ!」 「………また、今度な」 有人の護衛係が替わるのはしょっちゅうらしく、 あぁ鬼道の、と特に何も聞かれず、フェンスに持たれながら見張っている。 あぁ、メンドクサイ。 …一人、か。 普通に防犯設備抜群な学校。 爆破等の衝撃は、緊急のベルが鳴り響く。 今朝、理事長に防犯ベルの音が鳴らないように頼んできた。 もちろん、自分の戦闘がベルに妨げられては不愉快のなにものでもない。 一般ぴーぽーに、戦闘とか見られたらやばいしな。 メンドクサイ時は、手榴弾で済ませようとも、思っているし。 「今度っていつだよー」 「…円堂、お前は駄駄っ子か」 溜息を吐きながら突っ込んでくれたのは風丸。 さっらさらの透き通るような水色の髪をなびかせていて 最初、本気で女の子だと思った。 でも名前は一郎太。 名前も性格も、超男前。 今日一日で何度目なのか、有人の教室へ休み時間は毎回来て、毎回のように同じ事を言う円堂青年。 さすがに、呆れるわな。 「だって! あんなに上手いんだぜ?」 「ほんっと、初心者だとは思えないくらいだよ」 キラキラと、また子犬の尻尾が見えるって、円堂青年。 見た目にも喋り方にも癖がある茶髪青年、彼はマックスと言ったか。 「時間が出来たら、な」 |