19 下駄箱の分は、教科書、ノート類で程よく膨らんだ鞄にはギリギリおさまる。 といっても、一、二個だから。 今日は少ないほう、らしい。 「鬼道! 今日は少ないみたいだな」 そう、有人に話し掛けたのは オレンジのバンダナが印象的な少年。 有人が警戒していないところから、知り合いか。 ということは、青年だな。 「円堂、…今日も大変そうだな」 ひらひらと手を振りながら、こちらへ向かってきた青年。 円堂、青年か。 彼は手紙やら、大きな袋を沢山持っている。 そうか、君ら同類か。 「あぁああぁー?!! お、お前、」 私を指差しながら叫ぶ、円堂青年。 ドタドタと走ってきては、キラキラと輝く瞳を向けられた。 「お、お前昨日の! めっちゃ凄いシュート打っ てたヤツだよな!」 「昨日…、?」 あぁ、敵に打ったヤツか。 炎的なものが、出てたヤツか。 ん、 見ていたということは 「君も、サッカー部?」 「あぁ! やっぱりお前も、サッカーやるのか?」 なんなんだ、円堂青年よ。 君の後ろに、子犬のはち切れんばかりの尻尾が見える気がするんだが。 |