18 学校に着いた。 運転手ではなく、ファーストネームが扉を開けた。 黒の高級車、ベンツ。 この学校に車で登場するのは、俺と雷門くらいで 結構、毎朝目立ってるわけだ。 それに、今日は余計に。 「…、行くぞ有人」 「…あぁ」 ちらりと辺りを見渡し、俺の少し右後ろを歩くファーストネーム。 おい、黄色い悲鳴の先にお前も入ってるって、気付いてるのか。 「…そういえば、許可は取ってあるのか?」 「私の上司から学校にも連絡が入っているはずだ」 俺は生徒玄関に入り、下駄箱を開ける。 案の定、手紙、ラッピングされたプレゼントで 靴が入れられないんだが。 中学でもそうだったが、高校にあがってからも嫌というほど自覚させられた。 俺は、それなりにモテるらしい。 「今日は、…誕生日か何かか?」 「いや、普通の日だ」 平然と答え、靴を入れるために中を取り出した。 「っ、…モテる男は辛いな、」 「今絶対笑っただろ」 一瞬にやにやと笑い、直ぐ様ポーカーフェイスに戻る。 失礼だぞ、お前。 |