0 「………、日本?」 「あぁ、護衛の任務だけどな」 マカロンを口に放り込み、濃く苦いエスプレッソで流し込む。 私は今、新築されたばかりのボンゴレ本部のテラスで、ボンゴレ10代目ボスである綱吉から任務の説明を受けている。 私はボンゴレ10代目ファミリー幹部であって、守護者以外の幹部は、私と師匠くらいで大体がSランク以上の任務ぐらいしか回ってこないから、遠出には万万歳だ。 「護衛?」 「高校生、御曹司のお坊っちゃんくんだよ」 ふーん、と半ば流しながら聞いていれば、ちゃんと聞いてろばかとでこピンが飛ぶ。 「痛い、綱吉」 綱吉のことだ、痛いところを狙って打ってるに決まってる。 「若い御曹司だ、食うなよ」 「若いってったって、高二だろ? 私と綱吉と、一緒だ」 つん、と綱吉にでこピン返し。 何やら気に入らない様子だけど。 「じゃあ、ハンドガンでいいね でも一応、ナイフと匣使用の許可を貰っとくよ」 「あぁ、つけとく」 じゃ、と立ち上がり、渡された資料をもつ。 ベストの内ポケットに入っている愛銃を確認し、師匠に貰った帽子、ボルサリーノを被りなおす。 「…時々見に行く」 「ボス、仕事しなよ」 私は、綱吉に右手の人差し指と中指を揃えてくいっと挨拶をした。 イタリアだけど、所謂アメリカンポーズだ。 − next |