12 「おう、そろそろだったか」 髪から滴を垂らせ、バスローブ姿で戻ってきたヤツ。 どうやら、シャワーを浴びに行っていたらしい。 箱の隣に置いてあった指輪をはめ、箱の穴にあてた。 指輪から、藍色の炎が出ていた気もする。 気のせい、だろうか。 ―――――シュッ、…― すると、また犬が現われる。 「リュカは充電式というか、力が切れると勝手に匣に戻るんだ」 このパピヨンは、リュカというらしい。 「それより………いい加減、服ぐらい着たらどうだ」 不思議に思いリュカを見るが、分からない。 まったくどんな構造なんだろうか、気になる。 それにさっきから何かもやもや、変な感じだ。 まぁ、コイツの格好が原因でもあるんだろうが。 「……………あぁ、そうだな」 何で胸の辺りが煩くなるんだ。 |