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『こほん、えーっと、取り乱してすみません… それで、結城さんはどうしたの…?』
ヒメコと共に深呼吸を繰り返したりして、やっとのことで冷静さを取り戻したニックネーム。
窓からではあったが何か話にやってきたという、結城の話を聞くことにした。
スイッチの情報では、科学や機械を好むスイッチとは真逆の、心霊現象やオカルトといった類いのものを結城は好むらしい。
だからさっき、幽霊を否定したから怒ってたのかな。
それにしても失礼は承知の上だが、見た目が何ともホラーである。
ニックネームは勇気を出して話し掛けたのだが、事あるごとにスイッチと結城がお互いの意見に食い付くので、ただただヒメコと気まずい雰囲気を味わっていた。
気がつけばスイッチは結城とケンカと言うか、意地の張り合いのようなもので、移動をすることになった。
なんで?
結城「見たのはここ、焼却炉の入口よ あれはそう…先週の火曜日の事だったわ」
勝手に話が進んでいくなあ、と少し悲しい気持ちになっているニックネームをよそに、結城は回想に入った。
―――――私は学校新聞の「七不思議のコーナー」に載っていた階段話に興味を持って
その姿をカメラに収めようとこの場所で張っていたの
そうしたら―――――現れたのよ、本当に焼却炉の幽霊が…!!!
私は半狂乱になりながらも、必死でシャッターを押したわ!!
ヒメコ「アンタも怖がりかい!!」
結城「そしてそのまま新聞部へカメラを持って行き、出来た新聞がコレ この写真が動かぬ証拠よ どう?これでもまだ反論できる?」
ヒメコ「『……』」
スイッチを見ると、至って表情を変えない。
あの、あなたたちのせいでこんなよく分からない空気になってるんですけど。
ニックネームの心、届かず。
[実にくだらん論争、だが仮に!! その幽霊を否定する証拠を持って来たら、納得してもらえるのか?]
結城「ほほほ…面白そうね だけどできるのかしら? アナタ達スケット団に」
『アレ? ちょっと…何か流れが変な方向に…』
ヒメコ「アタシイヤやで!! そんなんようせんわ!! てゆうかお前ら、ケンカすんなや!!」
ん?何か二人の争いに巻き込まれた感、満載なんだけど!
またしてもニックネームの心、届かず。
結城「ではスケット団にお願いするわ」
『え…』
結城「学園の七不思議の一つ、「焼却炉の幽霊」に関する調査を依頼します」
『だ、だからやらないよ?』
[引き受けた]
ヒメコ「『引き受けたー!!!』」
『な…何勝手に決めてるのよ!! リーダーはわたしでしょ!?』
しゅん、となったニックネームに、皆にようやく気持ちが届いたようで、スイッチは気まずい顔をした。
無視され続けるって、結構悲しいんだからね!
[安心しろ、この調査はオレ一人でやる 情報収集はオレの専売特許だ]
おそらく怖いものが苦手なニックネームに気を遣ってそう言ったのだろうが、実は逆効果で。
結城「ふはははは!面白い では、私はさらに強力な証拠を掴んで来るわ 勝負よスイッチ君」
[決闘(デュエル)!!]
ヒメコ「お前らホンマ、仲いいとちゃうん?」
結局、無視されるのね。
ニックネームは未だ涙目である。
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