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そんなニックネームとヒメコを勇気づけようとでもしたつもりなのだろうか。
[バカバカしい 幽霊などこの世に存在しない オレが信じるモノは、データに裏付けされた真実のみ]
『たたたとえ、スイッチが信じなくても、…ッいるものはいるんじゃないかな……!』
ヒメコ「こっちはテレビが映んのもちょっと不思議や思てんねんで!! そら幽霊ぐらい居る思うっちゅーねん!!」
[アーアー、きこえなーい(∩゜Α゜)]
キリッとした―――――通常通りのドヤ顔で言い放ったスイッチだったが、あまり効果はなかったようで。
泣くのをやめて怒りだしたヒメコと、更に負のオーラを纏い始めたニックネームを見て、スイッチは思いついた。
否、企んだ。
[焼却炉といえば、部室の窓から見えるな… 何か今にもそこから幽霊が…そんな気がしないか?ニックネーム]
『ひっ?! そそそういうこと言われると、何だかそんな気が…?!!』
[安心しろ 突然窓が開いたりはしない 何故なら幽霊など居ないからだ]
『さっきと言ってること違うー?!! じゃあ何で脅かすようなこと言うのよ!』
ヒメコ「何でいちいち音声変えんねん!! あたしらをからかおうなんて、アンタこのサイクロンで一発やったろうか…?!!」
『もういいよ!! 居ない居ない、オバケなんか居ない!!』
「居るわーー!!!!」
ビクッ
ヒメコ「キャアアアァアア!!!」
『出たあああああ!!!!』
ニックネームとヒメコの叫び声が、部室内に響き渡った。
原因となったのは、ちょうどニックネーム達の見ていた窓から、人が飛び込んできたからだ。
その様子は、分かりやすく言えば某日本のホラー映画の井戸から出てくる女性―――――寧ろそのものだった。
もうやだ、わたしもうやだ。
遂に、ニックネームの目から溢れた大粒の涙を見て、からかいすぎたとスイッチが宥めに入る。
するとそれを見た―――――
[オカルト研究部の結城澪呼さん 2ーA 31番 霊的なモノはもちろん、超能力から呪術まで、あらゆるウサン臭いモノに造詣が深い]
スイッチは柄にもなく取り乱しながらも説明はしっかりする、まるでオレの役目だとでも言わんばかりである。
その姿に結城は驚いていた。
(あら、スイッチくんでも弱点があったのね)
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