人助け | ナノ

▲ 3−3






そんなニックネームとヒメコを勇気づけようとでもしたつもりなのだろうか。



[バカバカしい
幽霊などこの世に存在しない
オレが信じるモノは、データに裏付けされた真実のみ]

『たたたとえ、スイッチが信じなくても、…ッいるものはいるんじゃないかな……!』

ヒメコ「こっちはテレビが映んのもちょっと不思議や思てんねんで!!
そら幽霊ぐらい居る思うっちゅーねん!!」

[アーアー、きこえなーい(∩゜Α゜)]



キリッとした―――――通常通りのドヤ顔で言い放ったスイッチだったが、あまり効果はなかったようで。

泣くのをやめて怒りだしたヒメコと、更に負のオーラを纏い始めたニックネームを見て、スイッチは思いついた。

否、企んだ。



[焼却炉といえば、部室の窓から見えるな…
何か今にもそこから幽霊が…そんな気がしないか?ニックネーム]

『ひっ?!
そそそういうこと言われると、何だかそんな気が…?!!』





[安心しろ
突然窓が開いたりはしない
何故なら幽霊など居ないからだ

『さっきと言ってること違うー?!!
じゃあ何で脅かすようなこと言うのよ!』

ヒメコ「何でいちいち音声変えんねん!!
あたしらをからかおうなんて、アンタこのサイクロンで一発やったろうか…?!!」

『もういいよ!!
居ない居ない、オバケなんか居ない!!』



「居るわーー!!!!」



ビクッ



ヒメコ「キャアアアァアア!!!」

『出たあああああ!!!!』




ニックネームとヒメコの叫び声が、部室内に響き渡った。

原因となったのは、ちょうどニックネーム達の見ていた窓から、人が飛び込んできたからだ。

その様子は、分かりやすく言えば某日本のホラー映画の井戸から出てくる女性―――――寧ろそのものだった。

もうやだ、わたしもうやだ。



遂に、ニックネームの目から溢れた大粒の涙を見て、からかいすぎたとスイッチが宥めに入る。

するとそれを見た―――――



[オカルト研究部の結城澪呼さん
2ーA 31番
霊的なモノはもちろん、超能力から呪術まで、あらゆるウサン臭いモノに造詣が深い]



スイッチは柄にもなく取り乱しながらも説明はしっかりする、まるでオレの役目だとでも言わんばかりである。

その姿に結城は驚いていた。



(あら、スイッチくんでも弱点があったのね)