どれだけ泣いたのか
目が覚めれば、照りつける太陽が真上に近い位置にいた
三、四時間目あたりだろうか
どうやら、泣き疲れて寝ていたみたいだ
『…! ぅえ?』
抱き締められて、背中を擦ってくれていたらしい豪炎寺くん
気が付けば、あたしも抱きついていた
―――しかし幸いなことに、彼も寝ていた
いや、幸いなんかじゃないよ
かなりやばいよ
がっちり服捕まれてんもん
抱き合ってるとか、かなりやばいじゃん
なんですか、オイ
なんで熟睡してんの、君
あ、なんか意識したら緊張してきたし
くっそー、何なんだよもう
ぼーっとしようにも出来ない
だって、寝返りうつほどでもないけど動くし
気を紛らすために、時間を確かめようと思った
彼の背中にまわったままの自分の腕を外すと僅かに動いた豪炎寺くん
『…ん、』
『…起き、た‥?』
するとより強く抱きつかれ
まじで勘弁してくれよー
まぁ起こさずに済んだようだ
気を取り直してポケットの中に手を突っ込み取り出す
横のボタンを押すと、ディスプレイにAM11:47と表示された
んー…と、四時間目始まったくらいか
それにしても、一時間目が九時だとすれば約三時間
よく寝たなぁ
引っ越し決まってから、ろくに寝てなかった気もする
―――安心、なのだろうか
心の在りかを知ってるかい
(どうしてこんなにも、胸があつくなるんだろうか)
(c)ひよこ屋
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