修学旅行先は
『沖縄だから、水着なんているんだね』
『なんか、豪華じゃない?』
私立だからかなあ。
あたし達の修学旅行先は沖縄だった。
海での自由時間、釣り、漁業体験等々、本当に“旅行”に近い感じだ。
修学旅行はもう目前だからと、バス内で食べるお菓子から、歯ブラシ、タオル、と予算内で買えるだけ、なるべくお揃いのものを秋ちゃんと選んで、すっかり時間が過ぎてしまった。
すごく楽しかったから、この際秋ちゃんが遅れてきたことを水に流してしまおうと考えていたとき、秋ちゃんが話を切り出してきた。
『あのね、なまえちゃん』
『…どうしたの?
何か買い忘れてたものでもあった?』
『ううん、そうじゃなくて……
わたしが個人的に、なまえちゃんに相談したいことがあるんだけど』
―――――まだ時間、いい?
あたしは先程秋ちゃんと連絡先を交換したばかりのケータイを開いて、時間を見てみた。
もう、晩ご飯を食べるくらいの時間だ。
でも、この雰囲気的に、メールとかじゃなくて秋ちゃんは直接話したいんだろうな。
何か方法は…
そう考えたあたしの頭の中に、一つ考えが浮かんだ。
突然このようなセレナーデが
(秋ちゃんの時間がいいなら、家来なよ)
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