――…−、−−‐―
『ごめん、つまらなかったでしょ』
『…いや、』
―――みょうじは、本当に両親が大好きなんだな
『! …うん、』
聞いてくれて有難う、すっきりした
そう微笑んだみょうじは、さっきの弱弱しい笑顔じゃなくて
心から、微笑んでいた
『それはそうと、』
『ん?』
『お昼になったんだよね、実は』
――…−、−−‐―
屋上の扉を閉めれば、丁度のタイミングでチャイムが鳴った
教室へ入れば、クラスメイトからの異様な視線が刺さる
きっと、サボりってばれてるだろうな
『…みょうじ、あのさ』
突然話しかけられ、びっくりして振り返る
『俺、みょうじは笑ってるほうが好きだ』
真剣な顔で言われ、顔が赤くなるのが分かった
『冗談なんていいから、ほら…行くよ』
お弁当と財布を持って、今度はあたしが彼の腕を掴んで
彼の耳元で呟いて
また屋上へと向かった
あ、まずはお礼のパンを買わないと
本音は好きでもないくせに
(分かったんだ 気になるから、つんつんしちゃうの)
(c)ひよこ屋
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